計算によって配列を生成するには「数値評価で配列を評価できる」という前提があるのは勿論のことです。141F氏は日本語配列とデータ精度で、このように仰られています。
10万字サンプルという手法の確立とともに生まれた小梅配列 1.2 版は、同手跳躍や同指異鍵などの数値が小梅配列史上最も良好で、まさに「10万字サンプルに最適化された配列」でした。しかし、左手薬指が痛くなったり「さまざま」が打てなかったり「ですます体」に弱かったりと、10万字サンプルに特化したが故に世界の広さを知らない、言わば「世間知らずのお坊ちゃま」でもありました。

跳躍や同指異鍵などの数値指標は 1.3.x 版~1.4.x 版と版を経る毎に悪化の一途をたどりましたが、「10万字の限界」を乗り越えて汎用性を手に入れようと足掻いてきた積み重ねが、現在の蜂蜜小梅配列につながっていきます。10万字サンプルと評価打鍵、そのどちらを欠いても小梅配列~蜂蜜小梅配列は成立しませんでした。

これはどういう訳でしょうか。
(1)141F氏の異常感覚。
(2)10万字サンプルによる数値評価の精度不足。
(3)数値評価という手法自体がそもそも不可能。

(1)ということは無く実際改善されているとして、私は(2)であろうと考えておりますが、実際に調べて(3)ではないことを確かめたいと思います。
そこで、1.23版、1.32版、1.41版について1800万字データを用いて「運指の可視化」を図って見ました。
「跳躍や同指異鍵」は(IM,OM)を除くと「増えているかもしれないが、集計しないと判らない程度」と見られます、問題とは思えません。「10万字」に問題があるからと言うことではないようです。といって「跳躍や同指異鍵」が減っているとも言えません。それならば、統計に出ないような「細かな語彙や言い回しに対応した結果」であって、「数値化出来ない良さ」なのでしょうか。

「さまざま」については確かに良くなっていますが、同程度に重要な語彙は山ほどあり、全体として良くなっているかは簡単には検証出来ません。しかし、「左手薬指が痛くなった」問題については、そのような細かなことが原因では有りません。まず「SQ」という運指が気になりますが、これは小梅配列の仕様上仕方がないのかもしれません。その上にさらに左薬指に負荷のかかる要素が目につきます。

版を経る毎に大きく変化した点があります。「AW,WD」という運指が激減しているのです。月見草でも「WD」に「ぽ」が割り当てられてはいますが、あまり良い運指とはいえません。こんな盛大に使えば指が痛くなるのももっともです。これと比べたら「跳躍や同指異鍵」が少しばかり増えたのは些細な問題です。
確かに、普通、「AW,WD」が悪運指とは考えないし、そのような数値指標も見たことがありません。しかし「あまり良くない」と私は評価しますし、その点は賛同いただけるのではないかと思います。
月見草ではこのようなことは勿論、…「どの程度嫌うかというパラメータ」の問題はありますが…、計算に入れてあるのです。「跳躍や同指異鍵」が少なければそれで良しとしている訳では有りません。
1.23版 1.32版 1.41版
最終更新:2013年02月10日 16:31