ジン

ジンニー(Jinnī)の複数形。性格にはジンはその種族を、ジンニーは個々のジンを意味する。
ジンとは、アラブ世界で人にあらざる存在であり、なおかつ人のように思考力をもつとみなされる存在、精霊や妖怪、魔人など一群の超自然的な生き物の総称である。
イスラーム以前からいわば俗信としてアラブ人に信じられてきたが、イスラム以降、クルアーンがその存在を否定せずに認めているため、神学などで盛んに論じられるようになった。
女性のジンをジンニーヤ(Jinnīyah)という。人間と同じく性があり、人間の身体に血液が回る様に、人の身体には火が循環している。そのためジンは重症を負うと一堆の灰と化してしまう。
ジンは神がアダムを作ったよりも更に数千年早く作られ、人間よりも寿命が長いとされる。
ジンとは、アラブ世界で人にあらざる存在であり、なおかつ人のように思考力をもつとみなされる存在、精霊や妖怪、魔人など一群の超自然的な生き物の総称である。
ジンは人間と同様に飲食し、子を産み、しばしば人間とも結婚する。ジンと人間との間に生まれた子は、双方の特性を兼ねることになる。
 神の創造物の中、天使は光より、ジンは火より、人間は粘土よりつくられたとされ、ジンは善のジンと悪のジンとにわかれるとされている。
イスラーム以前からいわば俗信としてアラブ人に信じられてきたが、イスラム以降、コーランがその存在を否定せずに認めているため、神学などで盛んに論じられるようになった。

表記: アラビア語: جن‎, ラテン文字転写: jinn、英仏 jinn, djin
由来:「目に見えず、触れ得ないもの」の意味。
出典:『千夜一夜物語』
   >>『2 商人と鬼神(イフリート)との物語(第1夜 - 第3夜)』
   >>『29 漁師ジゥデルの物語または魔法の袋(第465夜 - 第487夜)』
   >>『46 アラジンと魔法のランプの物語(第731夜 - 第774夜)』

■ジンの種類(↑勢力が弱い、↓勢力が低い)
  1. ジャン ジンの変形したもの、またはジン族中で最も弱いもの。
  2. ジン
  3. シャイターン(サタン)
  4. イフリート
  5. マーリド
※ジャン、ジンは上記五種のものを総称する場合にも用いられ、シャイターンは悪のジンの総称でも用いられる。
 イフリートというのはほとんど例外なく性悪とされ、強力なジンである。そのうち最も凶悪なのがマーリドである。
※『アラジンと魔法のランプ』に出てくるランプや指輪の精もイフリートとされている。

リンク


ジン【Wikipedia】
前嶋信次/訳『アラビアン・ナイト1』〈東洋文庫71〉 平凡社<平凡社東洋文庫>
最終更新:2012年12月23日 14:39