ユナン

『ユナン王』

漁夫がジンの入った壷を釣り上げた。再び封印した所、ジンが壷から出してくれる様に懇願した。その際に漁夫がジンに語って聞かせた話に出てくる登場人物。
 ユーナーン王はハンセン病を患っており、ドゥバーンという賢者がその治療を施すとたちどころに病気もその痕も治ってしまった。
王は喜びドゥバーンは暑い恩顧を受けるが、これを妬む大臣がいた。大臣の言葉を鵜呑みにした王がドゥーバーンの命を取ろうとした所、ドゥーバーンは命運を悟り、一日の猶予を許されて家に戻ると、一冊の書に仕掛けを施して王の元に戻った。
死を前にしたドゥーバーンは、秘密の書をさしあげるから、自分の首をはねた後、生首をそばに置き、書を読み進めば、いかような疑問にも答えると告げる。王はドゥーバーンの首をはね、言われたとおりに書を読み進めるが、書には毒が塗られており、唾で指を湿らせながらページをめくっていた王は絶命してしまった。

【出典】
『千夜一夜物語』
 >>『3 漁師と鬼神との物語(第3夜 - 第9夜)』
  ・バートン版「漁師と魔神の物語(第3夜‐第9夜)」
  ・東洋文庫版「漁夫と魔王との物語(第3夜‐第9夜)」
  >>『3.1 イウナン王の大臣と医師ルイアンの物語』
    ・ドゥバーン賢者の物語
『アラビアンナイトストーリー』
 >>『3 漁師と魔神の物語(第3夜-第9夜)』
  >>『大臣と賢人ズバンの話』

リンク


イウナン王の大臣と医師ルイアンの物語【Wikipedia】
西尾哲夫/著 (ふくろうの本)『図説 アラビアンナイト』河出書房新社
『アラジンと魔法のランプ アラビアン・ナイト1』 バートン版 山主 敏子 編訳 <ぎょうせい>
『アラビアンナイトストーリー』實吉 達郎/著  新紀元社
最終更新:2013年02月18日 18:11