【ハールーン・アル=ラシードとバルマク家の関係】

※この項は書きかけです

□バルマク家
アッバース朝の成立以来、歴代の高官を輩出していたとされる、ペルシャ系の名門。

【バルマク家と教王】
カリード・ベン・バルマクが一門の中からでたはじめの大臣(ワジール)であり、選んだのがアッバース朝初代のアブール・アッバース・アッ・サッファーハであった。
アッバース朝第三代アル・マハディの時代にカリードは、教王の息子ハールーン・アル=ラシードの養育をヤフヤー・イブン=ハーリドに託しているが、それはヤフヤーの長男アル・ファドル(またはエル・ファズル)が生まれた七日後の事だった。


【ヤフヤー・イブン=ハーリド(Yahyā b. Khālid)】
アッバース朝最盛期にバルマク家の棟梁として重要な役割を果たした。
ハールーンに「我が父」と敬称された男で、ハールーンが教王についた際、共に宰相(ワジール)の位に着き、同時に二人の息子も同じ宰相の資格で国政にあたっていた。
803年1月、ハールーンがジャアファルを殺した際にファドルと共に投獄され財産は没収された。
805年11月29日に獄死したとされている。享年70歳(一説には74歳)

【長兄:アル・ファドル(al-Fadl b.Yahyā al-Barmakī)】
ハールーンに「我が兄弟」と呼ばれたヤフヤー・イブン=ハリドの長息。
ハールーンの7日前に生まれ共に育てられたハールーンの乳兄弟。しかし、ハールーンはファドルよりも、弟のジャアファルとのほうと気が合い、ファドルの方は敬遠する傾きがあったとされる。
ハールーンがジャアファルを殺した際に、父ヤフヤーと共に投獄され、全ての官職を取り上げられたが、やがてハールーンの子アル・アミーン(父の死後教王となる)の師傅となる。
808年11月に獄死。享年45歳

【次男:ジャアファル】


【その他の兄弟】
弟:ムハンマド、ムーサ
妹:ドゥニャ


『バルマク家に対してのお心変り』*1
※『ジャアファルとバルマク家の最後』*2

『アラビアン・ナイト8』前嶋信次/訳〈東洋文庫290〉 平凡社<平凡社東洋文庫>
『完訳千一夜物語 13』岩波文庫 豊島与志雄・渡辺一夫・佐藤正彰・岡部正孝/訳
最終更新:2013年03月10日 19:21

*1 前嶋信次/訳『アラビアン・ナイト8』〈東洋文庫290〉 平凡社〈平凡社東洋文庫> 索引25頁

*2 『完訳千一夜物語 13』岩波文庫 豊島与志雄・渡辺一夫・佐藤正彰・岡部正孝/訳(マルドリュス版)より