おむつの語源

元々は「襁褓(むつき)」といっていたが、丁寧語になり「お襁褓」になった。
そこから簡略語が生まれて、「おむつ」と呼ぶようになった。

襁 とは、衣+強で、丈夫な布のこと。
褓 とは、衣+保で、赤ちゃんの産着の事。
襁褓の語源は「身衣」「睦衣」「紐付」ともされる。


乳幼児用おむつの歴史

1940年以前

  • 江戸時代
小便布団という一尺四方の座布団を交代で敷いていようです。
この時にウンチを受けるための布から、現在の布おむつに発展しました。
  • 明治時代
油紙と布を使った、自作おむつカバーを作る事があったようです。
多分、お出かけ用でしょうね。

1940年代

ビニール傘のビニールを応用したおむつカバーが登場しました。
この年代の中頃に、スウェーデンで紙おむつの原型が誕生しました。
この年代の後半までに、欧米各地や日本に紙おむつの原型が上陸したようです。

1950年代

この年代の初期に、塩化ビニールで出来たおむつカバーが発売されました。
ビニールのおむつカバーは、漏れなければ良いという代物で、ムレて大変でした。
この年代の後半で、化学繊維のおむつカバーも発売されました。

1960年代

ウール素材や化学繊維のおむつカバーが普及。
おむつカバーの普及の同時に、成形型布おむつが登場しました。
この年代の初期に、使い捨ておむつライナーが発売されました。

1970年代

テープ止めタイプの紙おむつが登場。
ただし、吸水量が少なくまだまだ布おむつが主流。

1980年代 前半

1983年に高吸水性ポリマーが採用された紙おむつが登場しました。
紙おむつの吸収量が増え、テープ止めの紙おむつが急速に普及しました。
値段が高く、紙おむつをおむつカバーにしたり布おむつとの併用が多かったです。
この頃の紙おむつは、外側がビニールで覆われていました。
この年代に入ると、布おむつの当て方の指導が股おむつに統一されました。

1980年代 後半

テープ止めの紙おむつが主流になります。
布おむつは新生児時のみ使う事が多かったようです。
紙おむつの普及に合わせて通気性や漏れにくさの開発競争が発生しました。
しかし、この頃はまだまだ通気性が悪く分厚かったです。

1990年代 前半

おねしょパンツとパンツタイプが1991年前後に発売。
外側がビニールではなく不織布になったテープ止めが発売されました。

1990年代 後半

乳幼児用紙おむつのほとんどが、ビニールむき出しではなくなりました。
しかし表面だけ不織布で、その下はビニールの製品も多かったです。
紙おむつの通気性の向上に合わせ、製品の薄さの競争が激化し始めました。
布おむつを再び使う運動が起こり、布おむつ関連が充実し始めました。

2000年代 前半

紙おむつの表面素材の改良で、乳幼児用の肌触りが大幅に改善しました。
この頃から、パンツタイプとテープ止めタイプのシェアが均衡しはじめます。
布おむつ関連の充実が進み、ポケット式布おむつが登場しました。

2000年代 後半~

より成長に合わせた段階の紙おむつが開発されるようになりました。


大人用おむつの歴史

1980年代 以前

布おむつが主流ですが、あまり記録が残っていません。
布おむつと古い布などを使っても吸水量が足りず、介護が大変でした。
フラットタイプの大人用紙おむつも1970年半ばからありましたが、
この頃は吸水量が少なく、介護ではあまり脚光を浴びませんでした。

1980年代

1983年に大人用のテープ止め紙おむつが発売されました。
翌1984年には吸水ポリマーを採用した大人用紙おむつが発売され、
瞬く間に病院や介護の現場に広がりました。

1990年代

1994年に大人用パンツタイプ紙おむつが発売されました。
テープ止めタイプの紙おむつの表面は依然ビニールのままでした。
この年代に入ると、すぐに尿とりパッドが発売されました。
匂いに配慮した消臭ポリマー採用の紙おむつも増えました。

2000年代 前半

この頃から大人用テープ止め紙おむつでも、表面が不織布のものが登場します。
パンツタイプも種類が増え、失禁用など多種多様になりました。
よりフィットするように改良された紙おむつが増え始めたのもこの頃です。
尿とりパッドの種類も爆発的に増え、尿とりパッドとの併用が主流になりました。
この年代に入ると、抗菌消臭ポリマー配合の製品も増え始めました。

2000年代 後半

ほとんどの大人用テープ止め紙おむつの表面が不織布に変わりました。
大人用紙おむつの肌触りが1990年頃の乳児用紙おむつに追いつきました。
正直、今でも大人用紙おむつの肌触りは酷いです。

2010年代 前半~

尿とりパッド併用の波を受け、大人用紙おむつに薄さの競争が生まれはじめます。
より薄く柔らかく、通気性があるものが市場に出回るようになりました。
しかし、薄く柔らかくなったため、吸収量が同じでも漏れやすくなりました。


最終更新:2013年02月08日 14:29