天川天音の否定公式

天川天音の否定公式

作者 葉村哲
イラスト ほんたにかなえ
レーベル MF文庫J
分類 不明・もしくは両方
巻数 4巻(完結)
ジャンル 現代学園異能者アクション

「最弱のミーツヒロイン」

登場する幼馴染

長月瑛子(ながつき えいこ)

年齢 16歳 高校二年(同い年)
幼馴染タイプ ずっと一緒
属性 クーデレ、お嬢様、黒髪ポニーテイル
出会った時期 中学一年初期

 雪道たちが通う長月学園の理事長の孫娘で、生徒会書記。雪道とは、中学からの付き合いで、毎朝簡単な賭けをしてささやかなやり取りに一喜一憂したり、昼休みに生徒会室で食事を一緒にしたりするなど、気心のしれた仲。
 中学に入る前までは、親に決められたレールの上を歩かされていることに苛立ちを感じ、周囲に攻撃的な空気を撒き散らしていた。しかし、雪道と出会い、その掴み所のない雰囲気の中にある優しさに触れたことで、雪道に心惹かれていき、生きる喜びを感じようになる。
 容姿は、すらりと背の高いモデル体型(巨乳)。瞳は猫のように切れ長で、日本人形のような涼やか顔立ちに、長い黒髪をポニーテイルにまとめている。性格は、クールで、男っぽさを感じる淡々とした喋り方をする。その雰囲気は、ツンと澄ました黒猫のようと表現されている。感情の起伏を表情にはあまり出さないが、雪道が他のヒロインと仲良くしている際には、静かに怒気を発し、周囲を威圧する。反対に、雪道に些細なことで誉められたりすると、すごく機嫌が良くなる。雪道には、ずっと好意を抱いているが、雪道が鈍感すぎるため、その苦労は報われていない。
 一般人のため戦う力はないが、雪道への想いは誰にも負けず、雪道の危機には躊躇なく危地に飛び込み「何の力もない人間に何が出来る」と嘲る敵に「関係ない。私は芦原の傍にいるだけ」と立ち塞がり、異能の力が欲しいかと誘惑された際には「いらない。私は普通の人間として芦原の傍にいる」と切り返す意思の強さを見せる。その強さが、雪道たちを何度も救うことになる。

芦原雪道(あしはら ゆきみち)

年齢:16歳 高校二年
 この作品の主人公。マイペースな性格で、何だかんだと言いながら人の面倒を見てしまう人の良さがある。自分は周りに振り回されていると思っているが、ヒロインたちには「むしろ私たちが雪道に振り回されている」との評価。家事能力は全般的に高く、料理が得意。汚れている部屋を見ると放っておけない性格。得意科目は家庭科。他は極端に苦手な教科はないが、得意なものもなく、成績はあまり良くない。
 友人はあまりいない。本人曰く「狭く深い付き合いをするタイプ」。瑛子とは心を許しあっており、信頼感に満ちた二人だけの空気をよく醸し出し、他のヒロインたちを悔しがらせている。瑛子のためなら命すら惜しくないというほど特別な存在だと思っている。過去にも、瑛子のために、いろいろと無茶をやらかしたせいか、瑛子の両親には毛嫌いされており、長月家に近づいただけで通報されるとのこと。しかし、好意には鈍感で、過去に、瑛子にハート型で名前入りの手作りチョコを貰ったのに告白と気づかなかったほど。
 ただの一般人かと思われていたが、否定公式に関わる特殊な力を持っており、戦闘では天川さんのお株を奪うような重要な役割をする。元々、遠方から監視する敵を無意識に察知する勘の鋭さを見せるなど、力の片鱗を見せていた。

その他関係の深いキャラクター

天川天音(あまかわ あまね)

年齢:16歳 高校二年
 この作品のメインヒロイン()。否定公式を研究、管理する組織『領域』に所属する能力者。かまいたちを具現化する『風鳴き』を操る。ある超常現象を追って、組織を離反して長月学園に転校生としてやって来る。表向きは成績優秀、品行方正な優等生を演じているが、実は生活能力皆無で、子供っぽく、すぐに調子に乗るダメっ娘。

瑛子と雪道の台詞とエピソード&天川さんとの扱いの差

  • 「今朝も私の勝ち。飲み物一本、芦原のおごり。これで、私の六百二十勝十七敗」
  • 瑛子の機嫌を取るため、卵焼きを「あーん」で食べさせようとする雪道(平然と)。
    • 顔を真っ赤にして、慌てて部屋の鍵を掛け、カーテンを閉め、気合を入れなおした後、「あーん」をする瑛子。
  • 雪道の卵焼きを食べ、「芦原はいいお嫁さんになれそう」
    • 「瑛子、おれのこと貰ってくれるか?」「瑛子相手じゃ、俺には高嶺の花だな」(雪道)
    • 「……そんなこと、ないのに」
  • 雪道に夕食に誘われたことに喜び、思わず廊下をスキップしてしまう瑛子。
  • 「瑛子に会ってもう五年目それとも、まだ五年目。変化を判断するには早すぎる」(雪道)
    • 「長い付き合いになりそうな台詞」
  • 雪道が戦闘で傷を負った際、傷をテープか何かで隠すように言う瑛子
    • 「似合うけど……ダメ」「競争率が上がると、困る」
  • 中学の時、初めて二人が出会った時の会話
    • 「なんだ。おまえって結構、可愛いな」(雪道)
    • そんな下らない言葉が、妙に温かく、心に残って、どくんと、胸が大きく鳴る。
    • 「可愛い、かな?」
  • 「――朝が来るのが嫌いだった。同じ毎日を繰り返すのが苦痛だった。次の日から、少しずつ私の世界は、変わっていった」
  • 「でも、ちょっと覚悟は必要。私も散々、芦原には振り回された。我ながら、よくついてきたものだと思う……一度なんて山で遭難して三日も野宿だった」
  • 天川さんに、雪道のどこが好きなの?と聞かれ、
    • 恥ずかしそうに、瑛子は自分の頬を両手で押さえて、でも少し嬉しそうに、惚気るみたいに唇を緩めて、
    • 「全部」
  • 「おれのことはどうでもいい、でも瑛子は助けなきゃいけない」
  • 「瑛子のこと……好きなの?」(天川さん)
    • 「光だ」一日たりとも忘れたことはない。あの日、捨てられた猫を抱いて笑った、瑛子の姿を。
    • 「四年前に見つけた」
  • 「瑛子が危険で、それを知っていて、おれが黙って見ている理由はない」
  • 「芦原が『あーん』されてパフェを食べていたことなど、気にしていない。何一つ気になるはずがない。何故なら私は落ち着いていて、とても冷静だから」
  • 猫耳つけた瑛子(と天川さん)
    • 「可愛くない?」
    • 「可愛いさ!」「いや、可愛いことは可愛いんだが、別にネコミミなしでも……」(雪道)
    • 「つまり」「ネコミミなしの私がいい?」
  • 「いらない」「私は芦原の傍にいる」「失せろ悪魔。私は私の弱さから目を逸らさない」
  • 敵の能力で精神を囚われた雪道。雪道を助けるため異空間に飛び込むのに躊躇した天川さん。迷うことなく飛び込んだ瑛子。
  • 「おまえはなにも知らないから、そんなことが言えるんだ!」
    • 「知る必要なんてない」「私は芦原の傍にいる。それでいい、後は何もいらない」
    • 「……死ぬぞ、おまえ」
    • 「構わない」
  • 「芦原に会わなければ死んだように生きるだけだった! 他の何を譲れても、これだけは譲れない! 私の手の届かない場所に、芦原を連れてなんかいかせない!」
  • 「わたしは、芦原と一緒にいるだけで、充分、楽しい」
    • 「……おおむね同意するよ」(雪道)
  • 「瑛子の浴衣姿……見るの始めてか、楽しみだな」「……楽しみ?」
    • 「ん、きっと似合うんだろうなと思ってな」「その……少し、嬉しい」
  • 天川さんに、お嬢様なのに家事ができるんだねと聞かれ「家出して、芦原のところで半月ぐらい暮らしていたときに教えてもらった」
  • 「与えられる幸福に興味はない」「そこをどきなさい、私は芦原と戻る」「未来なんて……私は、怖く、ない」

天川さんとの扱いの差
  • 風呂上りの瑛子と天川さんを覗いてしまう雪道
    • 天川さん「裁判! 罪状覗き! 判決死刑!」
      • 「事故だ! 元はと言えばお前が洗濯のひとつもロクに出来ないのが悪いんだ!」誤魔化そうとする雪道。
    • 瑛子「……嫌い」
      • 即土下座「悪気はなかった――いや、言い訳はしない。こうなったらもう、男らしく全力で責任を取る方向に進もうと思う!」
  • 「あったりまえだろうが。ことあるごとに調子に乗るウォーキング・オブ・大迷惑みたいなおまえとおれの瑛子を同列に扱ってたまるか!」(雪道)
  • 天川さんの前で、瑛子に卵焼きを「あーん」で食べさせる雪道。
    • 「私にもやって!」(天川さん)
    • 「嫌だよ。面倒くさい」(雪道)
  • プールで水着姿を見た際
    • 天川さん「どう可愛いでしょ?」
      • 「くそっ、認めたくないが……認めたくないが、確かに可愛いと思ってしまった。なんだこの敗北感」(雪道)
    • 瑛子の姿に言葉をなくし、瑛子に釘付けになる雪道。瑛子は恥ずかしそうに自分の体を抱き締めながら、
      • 「あんまり見ないで、恥ずかしいから」「いや、その、悪い」
      • 「変、かな、この水着」「いや、凄く、似合ってるぞ」
      • 「……ありがと」「うん……似合うよ」
  • 大はしゃぎでウォータースライダーに特攻していき、雪道と瑛子を二人きりにする天川さん。
    • その間に、いい雰囲気になる雪道と瑛子。
  • 旅行先でウノをすることに、
    • 天川さん「ねえ雪道、わたしもルールしらないんだけど」
      • 「ほれ」無造作にルールブックを放り投げる。
    • 瑛子「芦原、私もルールを知らない」
      • 「随分前の修学旅行でやってただろ……」(雪道)
      • 「余計なことだけ、覚えてる」
      • 「そりゃ覚えてるよ、瑛子のことなんだから」(雪道)
  • バーベキューで、シロコと肉の取り合いに必死になる天川さん
    • 一方、瑛子と雪道「芦原、はい」「あーん」
  • 夏祭り
    • 天川さん「あ、わたあめだ! わたあめ! 雪道、わたあめ買って!」
      • 「引っ張るな! そもそもなんでおれが奢らにゃならんのだ! そんな金ないぞ!」
    • 瑛子「あ……たこ焼き、美味しそう」
      • 「待ってろ瑛子。すぐ買って来る!」

+ 若干ネタバレ
235 : イラストに騙された名無しさん : 2011/03/08(火) 12:31:15.98 ID:z2MjSBIf
力を授けようと誘惑されて拒否して自分の足で立つ事を選ぶのが幼馴染で貰うのが天川さん
主人公のためなら死も厭わないのが幼馴染でなかなか覚悟しきれないのが天川さん
主人公が何より大事にして救いだと言い切るのが幼馴染でダメッ娘で手のかかる娘扱いが天川さん
胸が魅惑のサイズなのが幼馴染で残念なのが天川さん
一生共にあり続けるつもりなのが幼馴染でただ好きとしかいえないのが天川さん

タイトルになってるのが間違いだよなーw
ぶっちゃけハーレムで終わらなかったら完璧禁書だったレベル

概要

 長月学園に通う雪道のクラスに現れた転校生天川天音。ある夜、天川天音の姿をした敵に襲撃される雪道。そんな雪道を救ったのは本物の天川天音。彼女は、『否定公式』と呼ばれる力を使い、具現化した超常現象と戦う正義の味方(自称)だった。この世の理から外れる超常の力を人造する式『否定公式』を巡る戦いに巻き込まれる雪道。
 典型的なミーツヒロインものであるが、まずメインヒロインwである天川さんこと天川天音を紹介しなければならない。この天川さん、ストーリーの中心にいるはずなのだが……。日常面では、猫かぶりで外面はいいが、実はまともに生活できないぐらい家事が壊滅的で、雪道にぞんざいな扱いをされ続ける。戦闘面では、敵にも味方にも才能がないと言われ、雪道はおろか非戦闘員である瑛子にまで、見せ場を持っていかれる。恋愛面では、瑛子に絆の強さと覚悟の違いを見せつけられ、後発のヒロインにも遅れを取る。というどうしようもないダメっ娘なのだ。そのダメっぷりがネタとして、逆にファンに愛されているというメインヒロインとして何とも情けない状態なのである。
 一方、瑛子は、雪道との間に他人に割って入れない絆の深さに裏打ちされた、羨ましくなるようなシーンや、些細な事で嫉妬するなど可愛らしい面も豊富。非日常にも割り込んでいき、雪道のために躊躇なく命を懸け、覚悟のこもった言葉で意志を貫く、力強さも見せるなど、天川さんにヒロインとしての格の違いを見せ付ける存在である。二人の関係性だけでいうと禁止図書にしてもいいくらいの危険度を誇る。
 しかし、幼馴染か……という点にネックがあり、二人が出会った時期が中学一年初期(しかも入学からそんなに経っていない)と幼馴染と認定するには、非常に判断の困る時期であるため、これについて禁止スレでも意見が分かれた。結局、スレの本分「羨ましきは斬れ!」の精神に乗っ取り、不明・もしくは両方扱いでリストに名を連ねることとなった。
 本来なら、幼馴染にとって、最大のライバルになるはずのミーツヒロインがダメすぎたという珍しい作品である。

+ 以下ネタバレ
結局、ラストは有耶無耶に終わる。
瑛子が雪道に、誤解しようのない形で告白し、雪道に好意を伝える。
  • 「好きです」
  • 「今更言ってんだよ、おれも瑛子のことが――」キスで黙らせる。
  • 「あなたが好きです」
しかし、雪道が返事をする前に、シロコと天川さんも割り込んできて、雪道に告白。延長戦へ突入という形になる(この時も天川さんは、瑛子の迫力にビビって腰が引けているというダメっ娘ぶりを見せる)。であるが、瑛子が一番優勢というのは揺らぎそうもない。
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  • 天川さんェ…
  • 天川さんが否定(される)
  • 一乃さん
  • 通常とは若干異なる意味でセカイ系

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最終更新:2012年10月13日 23:30
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