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【そしてε】

(森山直太朗「そしてイニエスタ」の替え歌)

S字フックが指示を出し
祖父と播苦が舵を取り
墨一はワニを追っていて
ゴリラはきのこ生えている

アトランティスの半魚人 オーストラリアでホモとなり
エスプレッソは非常用
ゲロ子はまるでエルモの火

挨拶響く海賊船 おはよう・こんちは・ごきげんよう
挨拶響く海賊船 ごきげん・ごきげん・ごきげんよう

そしてε 楽天じゃなくて
そしてε ネトゲでもない
そしてε ただのダンゲロスプレイヤー

シルバーフックとセイレーンの別れ

「…さて、いい加減船の準備もできてる頃だろう。そろそろお別れしなくちゃな」
機嫌よくセイレーンと談笑していたシルバーフックは、そのままの調子で唐突に別れの言葉を切り出した。
出発の準備が完了したのは1時間以上も前のことだ。船長の彼が把握していないはずもない。
彼も彼なりに後ろ髪ひかれる思いなのだろう。

何気ない素振りを装って歩き出すシルバーフックの後ろ姿に、セイレーンが
「待って、私も…」
精一杯の勇気を振り絞って声をかける。
昨夜、旅立ちを切りだされた時から考えていたことだった
臆病な彼女にとって、物心ついた時から一人で暮らしてきた島を出ることは
長い間の憧れでもあり、しかし結局自分にはできないと、とっくの昔に諦めていたことでもあった。
(それでも、貴方と一緒なら、貴方がいてくれるなら…)

だが、彼はその言葉を最後まで言わせてはくれなかった。
「男の世界に女を連れてくわけには行かねえよ」
彼女の気持ちなどとうに見ぬかれていたのだろう。

「はっ、何が男の世界だよ。馬鹿馬鹿しい」
シルバーフック海賊団唯一の女性船員“淑女”ボニーが口を挟む。
「いいじゃねえか、連れてってやんな」
だが、シルバーフックは聞こえなかったかのように無反応で歩をすすめる。
苛立ったボニーは掴みかかろうとして、副船長“貴賊”ツヴァイクに押しとどめられた。
「くっ…」
実際はボニーもわかっているのだ。自分たちのいる世界がどれほど悪徳と死に接した、危険で陰惨なものであるか。ボニーが彼らの一員として受け入れられているのは、かつて奴隷として受けた暴行が元で、女性としての機能を失っている故である。
自分と同等の覚悟を、楽園のような世界で育った世間知らずの少女に求めることなど到底出来るはずはなかった。
仮に本人がそれを受け入れたとしても、シルバーフック自身が認めるはずがなかった。
“危険”の二つ名で呼ばれ、自ら率先して危険に身を晒す男だが、仲間を危険に巻き込むことには最後まで反対する。
海賊ジョン“ダンゲロス”シルバーフックとはそういう男だった。

「いずれ戻ってくる。ここはいいところだからな。それまでちっとはうまくなるように歌の練習でもしてな」
その言葉を最後に彼らは旅立った。

――あれから15年
今日も島からはセイレーンの歌声が聞こえてくる。

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