デイヴィと人喰い宝箱

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ディヴィと人喰い宝箱


■性別

■賞金額
D$800,000-

■所持武器

■コスト
3

■ステータス
攻撃:20防御:0体力:6精神:4FS:0

■FS名
夢と希望

凱旋戯画<トライアンフ カリカチュア>

効果:精神攻撃による遠距離通常攻撃
範囲:周囲1マス敵全員
制約1:(精神攻撃)
制約2:この能力により「死亡」した敵キャラクターの数×1DP献上

発動率90% 成功率0%

能力原理

デイヴィと、彼の背負う箱を見たものは、
彼の周囲に華々しい勝利の姿を見る。
箱の中には金銀財宝、果てしなき価値が詰まっていると確信する。
それがデイヴィの能力による非現実な幻影/戯画であることに気付けないものだけが、
箱に向かって殺到する。
そして、喜んで人喰い宝箱の蓋を開けてしまうのだ。

デイヴィが肌身離さず背負っている箱の正体は「死を織る貪欲な土棺」。
ミミックモンスターの姿をとった死素精霊である。
「死を告げる風」が、
告死道化の姿をとって死後の安寧と引換に、生命と価値のコインを受け取るように。
「死を語る佯りの火垂」が、
死者を騙して炎獄に誘い出し、仮初の価値を与えて魂から生命を食い獲るように。
「死を懐く老いた水源」が、
ぶくぶくと膨れ上がった生命をBETして、人間から価値を賭け盗るように。
「死を織る貪欲な土棺」は、
生命も価値もまるごとその箱の内に内包してしまう。
すべてを取り込む貪欲者である。

死を素とした精霊は、いつだって童話の怪物の姿を借りて人間界に現れる。
人喰い宝箱の中身の正体は、織り重なった人間の死。

キャラクター説明

デイヴィは探検家であった。
大海原の向こうにある冒険を夢見ていた。
彼は仲間を集めた。
冒険には船が要る。優秀な船頭。若い漕ぎ手たち。
船には大量の水と食糧。
そして胸に秘めた宝の地図。
デイヴィとその仲間たちは、家族を故郷に置いて旅に出た。


そして、当たり前のように船は嵐で転覆した。


デイヴィが目覚めたとき、彼はただひとり、見知らぬ海岸に倒れていた。
歩き出す。
たったひとりで。
砂浜を越え、川を遡った。
森を抜け、小高い丘に登ったデイヴィは、ここが小さな無人島なのだとやっと気づいた。

2ヶ月が過ぎる。
時は圧倒的速度でデイヴィを蝕んでいた。
身体は痩せ細り、目に生きる精気は残っていなかった。
しかし彼の足だけは、確かに一歩前へ踏み出していた。
そしてついにデイヴィは、この小さな無人島の中で、謎の建造物を発見するに至った。
彼の心は俄に色めき立った。
彼の目に、情熱の炎が戻った。

謎の建造物は、奥に進むごとに、地面の下へ下へと続いていた。
それは想像以上に広く、暗かった。
デイヴィは、この謎の建造物の探索のため計画を練った。
建造物入り口に改めてキャンプを作り、水と食糧、そして灯りとなるものを確保した。
デイヴィの探索行は長く掛かった。
謎の建造物に、生命の息吹は残っていないようだった。
それでも彼は探索を続けた。
彼の足は情熱に突き動かされていた。

彼の探索行は、最深部にて土に埋もれた一際大きな宝箱を前にして絶頂を迎えた。
疾る気持ちを抑え、デイヴィは慎重に宝箱を掘り出した。
それは大きく、そして重かった。
箱には鍵が掛かっており、そうそう開きそうもなかったが、彼の鼓動が静まることはなかった。
むしろ彼は喜んだ。
世紀の大発見をしたのだと、彼は悟った。
箱を前にして、彼は出来る限りのことをした。
叩けど、蹴れども箱がビクともしないことを知っても彼は諦めたりしなかった。

デイヴィは箱を背負って歩き出した。
箱を地上に引き上げる頃には彼の体力は底をついていたが、彼はそんなこと気にしなかった。
「自分はこれを持って、生きて帰るんだ」という強い意思が宿っていた。
デイヴィがイカダを完成させ、島を脱出したのは、彼の漂流が始まってから4ヶ月ほど過ぎたころだった。
彼のイカダにはもちろん、あの大きく重い箱が一緒であった。


そして、当たり前のようにイカダは潮に流された。


生きて帰り着く自信など、本当は最初からなかったのかもしれない。
ただ、箱があるから、デイヴィは生き続けることを選択した。
歩き続けることを選択した。
奇跡的に流れ着いた見知らぬ海岸を、彼は箱を引き摺って歩いた。
広い視界を求めて、彼は箱を背負って険しい山道を登った。
小さな灯を見た気がして、箱を担いて未開の森を歩んだ。
方角もわからぬまま水と食糧を求めて彷徨う彼は、それでも箱を手放なそうとはしなかった。

デイヴィはそのうち、箱が少しずつ軽くなっていることを知るかもしれない。
箱に開いた小さなキズのような隙間から、砂がこぼれ落ちていく様に気づくかもしれない。
しかし彼はそれを、見て見ぬ振りをするかもしれない。
すべては仮定の出来事だ。
真実はどうあれ、デイヴィは一切何も疑うことなく、箱を背負い続けたのだから。

デイヴィの足は着実に進んでいく。
それはどこへ?
どこに向かって彼は歩くのか?
それは故郷だ。
彼は帰るのだ、箱を持って。
凱旋だ。
家族に再びまみえ、祝福を受ける。
デイヴィは、探検家として最大の勝利を得る。

得なければならない。
得なければならない。
得なければならない。

あってはならない。
箱がカラなんてことは、あってはならない。
日々軽くなる箱。
こぼれ落ちる砂。
デイヴィが歩いてきた軌跡がそこに記されている。
砂の道。
これが、これこそが彼が歩いてきた証だ。
箱、箱。
これは宝箱? それは本当に宝箱なのか?
自分はこれを、宝箱だと本当に思っていた?
自分は、いつからこれを、ただ「箱」とだけ呼んでいた?

いいや、いいや。
否。
彼は帰る。
間違いなく帰り着く。
故郷に帰る。
凱旋だ。
これは勝利の歩みだ。
ずっしりと箱の重みを確認する。
その重みは、受けるべき祝福の重みだ。
重ければ重いほど、彼の人生は満たされる。
                           瞬間、彼は妄想に逃げる。


見よ! これがデイヴィ=サラバントの凱旋だ!!
彼の周りには、人の群れ。
足元には赤い道。
空にはシャンパンのシャワーが降る。
皆、デイヴィを称えるための観客だ。
おお、おお!
世紀の発見だ。
お宝、お宝。
溢れる金貨! 金貨! 金貨!
名声! 栄光!

それがデイヴィの魔人覚醒の瞬間だ。
デイヴィの妄想は現実となる。
詰まっていた砂がすべて流れ出てしまったあとの、
暗い暗い閉ざされた箱の中に、確かに重い何かが生まれた。

ずっしりと重く重く背中にのしかかる箱に満足して、
デイヴィは耐え切れず倒れ伏した。




これがデイヴィの来歴だ。
倒れた彼を、偶然通りかかった海賊船が、偶然発見して保護した。
もちろん、その背に背負う箱が目についたからだった。
海賊が箱を奪おうとすると、デイヴィは痩せ細った身体からは想像できないような怪力で歯向かった。
魔人覚醒によって、彼の肉体性能は飛躍的に向上していた。
彼が箱に傾ける愛情は、まさに異常だった。
海賊は、デイヴィの異常な愛情と攻撃志向を有効に使うことを思いついた。

デイヴィは、生きて故郷に戻すという約束を信じ、海賊の一員となった。

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