DNA損傷

この辺りの説明は、なんかもにょるなぁ。「DNAのダメージ=発がん」って短絡してる人も多いから。 RT @kikumaco 放射線で「溜まる」のはDNAへのダメージであって放射線そのものではありません。また、DNAには修復機構が働くので、ダメージがそのまま残るわけではない。
y_tambe 2011/04/14 11:10:59

(高線量)放射線被曝の場合、DNAのダメージが起こすのは、第一義的には「細胞死」。増殖性の高い細胞(骨髄の造血幹細胞とか…当然、正常細胞に比べれば癌細胞も該当)ほど、この影響を受けやすい。

特に電離放射線の照射で起きる、DNA二重鎖切断の場合は、そのままだと「突然変異」にすらならない。染色体が正常に複製できなくなって中途半端な状態で止まる。この状態のままだと細胞は死ぬ…DNA修復されない限り。

DNA二重鎖切断の修復の機構には、何パターンかがある。(1) 相同組換え修復って機構だと、完全に元通りに修復できるのだけど、これは細胞周期のS期と呼ばれる期間(DNA合成期)しか使えない。

もう一つ、(2)非相同組換え末端結合(NHEJ)というのがあって、これには、(2-1)DNAダメージ複合体(MRN複合体)依存型と、(2-2) MRN非依存型(Ku-70による)がある。ただし、こちらでは切断部分が少し欠落したりするなどの変異が生じる。

わかりやすいけど、ちょっと「話が浅め」なのが、ちょっともにょるところ…一般向けだとこの程度だよなぁ RT @kikumaco 放射線によるDNA損傷とその修復については、よないくんがシノドスジャーナルに書いたこれがわかりやすいと思います http://bit.ly/gTojRo

二本鎖切断で、複数の箇所が同時に切断されたとき、「元のDNAのどこと、どこが繋がってたか」を見分けて、正しくつなぐのが難しい…これに対して、一本鎖切断や修飾核酸などによる損傷だと「正常な鋳型」が残ってる分、まだまし。(1)の相同組換え修復は、姉妹染色分体が「正常な鋳型」役になる。

「どことどこが繋がってたか判らない、DNA断片を結合する」関係から、NHEJはまた、同時にゲノム不安定性の引き金になる…この辺りは、発がんリスクとも関係が深くなる。

@y_tambe DNAへのダメージ=絶望的、みたいに思われているところがあるのかな。紫外線でもダメージ受けるし、日常生活でも普通に、損傷→修復を繰り返しているのにね。
minai_maya 2011/04/14 11:18:19

@minai_maya ただまぁ「日常生活でも普通に起きてるDNA損傷と、電離放射線照射などの強いダメージでおきるDNA二本鎖切断みたいなタイプを、まるっきり一緒にされてもなぁ…」という辺りが、もにょってるところなのです。まぁ、どっちもどのみち損傷→修復はされるのだけど。
y_tambe 2011/04/14 12:06:19

物騒な喩えだけど、安全カミソリとサバイバルナイフを一緒くたに語られてるような、そんな印象を受けるのよなぁ…。いや、「放射線は怖いぞ〜」などと煽ろうという意図は決してないのだけど、「普通に起きてること」としか言わないのも、「正しく怖がる」のとはちょっとずれてる感じがしてる。

【物騒な喩え-1】安全カミソリ(≒日常レベルの紫外線等)で、うっかり手のひらとかを切って切り傷(≒DNA損傷)が出来ても、人命には関わらないし、時間が経てば治る(≒DNA修復)し、普通は痕も残らない。でも、一度にたくさん傷がついたら、それなりのダメージになる。

【物騒な喩え-2】包丁(≒高線量の電離放射線)とかだと、軽い切り傷ですむこともあるが、結構な深い傷(≒二重鎖切断)になることもある。ただし「指を深く切った」場合でも、命にまでは関わらないし、時間が経てば治る。ただし治るときに痕が残ったり(≒NHEJ)することもある。

サバイバルナイフだと怖い考えになってしまったので、包丁に変えた。

【物騒な喩え-3】安全カミソリにしても、包丁にしても、たった一つの切り傷でも、たまたま切れる場所が悪ければ、人命に関わる(≒細胞死)こともないではない。また、切り傷が多くなれば、その分だけ危なくなる。


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最終更新:2012年12月10日 14:29