「マイホーム主義という夢に惑わされ、『国の言うことを聞いていれば損をしない』という
信頼感が培われていったのです」。原発ですら地球温暖化阻止に役立つ存在とされた。
「電力を大量に使い、消費を楽しむことが幸せだったのか。原発立地自治体への交付金は、
都市と過疎地との格差を覆い隠そうとするものではなかったか。原発が環境と豊かさを支
えるとは、国家による宣伝だったのではないか……と。すべては幻想だった」
「国策民営」によって形成された原子力ムラを見る目は怒りに燃えている。
「事故を『想定外』と言い逃れる科学者の無能、国民に対する無責任、警告を無視して独断を
貫いてきた高慢さ、腐敗、そして開き直り……」
「このムラでは、誰もが責任逃れをする。日本では、下の人間が上の責任を問う文化が弱かった。
しかし、私たちは仕方がないとあきらめて、国家のうそに再びのまれてしまうほど、もう弱くはないはずです」
最終更新:2012年12月10日 16:42