金平茂紀

【放送】原発とテレビの危険な関係を直視しなければならない
(「ジャーナリズム」11年6月号掲載) 金平茂紀(かねひら・しげのり)

【一部抜粋】

この「肩書き」「権威」のまやかしを厳しく批判していたのが、故・高木仁三郎だった。
彼の立場=「市民科学者」という概念がいかに重要な意義をもっているかがわかる。
生活エネルギーの本来の受益者である市民の立場に立った科学の在り方が問われていたのに、
彼の死後、それに応えるような「権威を疑う視点」はメディア内部でどんどん弱くなっていったのだ。

要するに、原子力事業を進める上で「官―政―業―学―報」(元NHKの科学ジャーナリスト小出五郎の言う
「原子力ファミリー・ペンタゴン」)の強固な構造が出来上がっており、
その間には何の緊張感もなく、むしろもたれあい、相互チェックをする体制などなかったのだ。
そのことをテレビ報道に携わる者は今からでも遅くないから(いや、もう遅いか)考えなければならない。


659 名前:地震雷火事名無し(東京都)[sage] 投稿日:2011/11/27(日) 19:23:47.73 ID:A5g7IJgm0 [1/3]
先日、放送を語る会主催:「テレビはフクシマをどう伝えたか@千駄ヶ谷区民会館」でTBS金平茂紀氏の講演を聞いた。
俺を含めて20代の人はポツポツとしかいなかったな。後は高齢で何処かの団体所属者が殆どだったな。
内容はYouTubeを交えながらやりたかったんだろうけど、不備があって通信不能状態にw
金平氏は「日本は公的施設が全然ダメ。パブリック・アクセスの機能を果たしてない。
(アラブの春着火点の)チュニジアなんかは街の何処でもフリーアクセスなのに」と愚痴ってた。

要約すると、
  • 「3.11」とは、終戦・沖縄返還・米同時多発テロと同じく、それ以前・以後の歴史の切断点となる程のイベントである。
  • 「ポスト3.11のパラダイムシフト」とは、
①知の権威の失墜(原子力工学、地震学etc)、②原子力の「平和利用」神話の崩壊、③経済成長≠幸福、④既存メディアvsSNS
  • 「ポスト3.11の対立軸」=①原発依存/自然エネ、②既存メディア/SNS、③プロ/素人、
④ショック・ドクトリン(ex.宮城県による「水産特区構想」)/地域の住民力
  • 政、官、業、学、報のペンタゴンによる少数意見と反対意見の排除、抗しきれない現世利益(カネ、ポスト等)
  • 産、官、学、労のもたれ合い。(ex.電力総連「組合員を被曝させたくない、もっと下請け化をしろ」)
  • 倫理の不在=何の為に、誰の為に、何をすべきか。知識人の役割(ex.大江健三郎蟹瀬誠一)=発言に一貫性を持つこと。
  • 「御用学者問題」とマスメディア(ex.大熊由紀子(朝日)、岸田純之助(朝日)、中村政雄(読売))について。
  • 「精神の腐食」=中村博美(科ジャ)のやらせ、櫻井よしこの反動主義的意見広告。

取り敢えずここまで。メモってたのをそのまま書いたので読みにくくて申し訳無い。
後は金平氏の提言や、現場であったことなんかを書きます。



660 名前:地震雷火事名無し(東京都)[sage] 投稿日:2011/11/27(日) 19:56:51.80 ID:A5g7IJgm0 [2/3]
(続き)
  • 「金平氏のマスメディアへの提言」
①専門記者の育成(=御用学者に絡め取られない為に)
②サツ廻りから始める記者教育の見直し(癒着の防止)
③ネットワークを持つ(組織と個人の人脈作り)=TBS「報道特集」でボツだった企画がNHKで採用=競争原理の萌芽
④海外報道をよく見ること(=外からの視点)
⑤日本型CNN(報道専門局)の設立を一刻も早く行うこと
⑥地域ジャーナリズムの育成(=東京の論理とは袂を分かつ)
⑦批判的思考(本来のお上、権力、権威への監視機能を復活させること)
⑧高校生への期待(=今の大学生以上の世代は“就活”“婚活”など人生の全てが活動化に収斂され、牙を抜かれている為)
⑨いつでも心にユーモアを(脱原発デモのように従来のようなお堅い調子からもっと柔軟に、自己本位的からの脱却)

  • 質疑応答では、
Q1.「有富の“爆破弁”をあまり責めるのは如何なモノか?(物理学専攻の学生から、ややピント外れ)」
Q2.「初期報道の問題点と情報操作については?(30代くらいの塾講師)」
Q3.「“暫定”という言葉遣いに対するセンスはどうか?(若者)」
Q4.「若い世代がテレビを変えようとしても、既存体制に噛みつくような人材は採用されないのでは?
(立教のメディア専攻の女学生)」
などがあった。

A1=金平氏は澤田にこの件を聞いたことがあるそうで、「同情する」とのこと。
有富がパニックに陥って方便的用法でつい出た言葉だろう、との事。
A2=大手の誰も警戒区域に入らない中でフリーランスはよくやったが、功名心でハシャぐようなネット報道があった
(※恐らく、神保哲生の事だろう)。コレはテレビのプロなら採用出来ない。但し、彼等フリーが命懸けで仕事をしていて、
大手からこうした揚げ足取りをされるのは悲劇だ。情報操作について、今の官邸はそこまで出来る能力が無い。
スピーディの件にしても情報を扱う能力すら備わってないのが実情ではないか。
A3.=言葉のセンスに乏しい。テレビは即時的なメディアで、長い目で物事を見られなくなった。
(話は飛んで)放影研→ABCCについても言及があった。勿論、ただの研究目的の御用機関である、と。
A4.ハッキリ言って今の上層部では無理だろう(金平氏も原発報道でTBS幹部からお叱りを受けたことがあったそうだ)。
日本社会の会社の在り方が変わる、市民科学者(ex.高木仁三郎)や七沢潔(ETV)のような人材が受け容れられる
環境作りも必要。そのような環境作りにはネットワーク作りが不可欠であり、相当に時間を要するのではないか。

  • その他
①現場の小職クラスが自己判断で「あ、この素材はダメだ」と切り捨ててしまう悪弊がある。テレビが国民に向いてない。
②上記のようになってしまったのは、クレーマーが増加したことも大きい。圧力に対して引け腰になってしまっている。
受け手と送り手のコミュニケーション不全となっている状態である。
③>>659と矛盾するかもしれないが、マスメディアと2ch、SNSの双方で不必要な対立を煽るべきはない。
  • 2ch、SNS=「“マスゴミ”の言うことなんて信じないよ」
  • マスコミ=「どうせあいつ等は何を言っても信じないんだろ。(特権意識がもたらすある種の愚民視)
→「本当の敵は誰なのか?」という最も重要な事を見失ってしまう。両者にとっての不利益である。

以上、こんなトコロです。長文失礼しました。

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最終更新:2013年04月13日 13:54