日本学術会議哲学委員会

【実況】「原発災害をめぐる科学者の社会的責任」公開シンポジウム
togetterによるまとめ http://togetter.com/li/189532

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日本学術会議哲学委員会 公開シンポジウム「原発災害をめぐる科学者の社会的責任――科学と科学を超えるもの」
http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/133-s-1-2.pdf

主 催:日本学術会議哲学委員会・日本哲学系諸学会連合・日本宗教研究諸学会連合
日 時:9月18日(日)13:00~17:00 (開場 12:10)
場 所:東京大学法文2号館文学部1番大教室

プログラム

司会 金井淑子(立正大学文学部/倫理学)

13:00~13:10 開会挨拶
野家啓一(東北大学理事、日本学術会議哲学委員会委員長/哲学)

13:10~15:10 報 告(各パネリスト20分)

唐木英明(元東京大学アイソトープ総合センタ長・ 獣医薬理学 獣医薬理学 獣医薬理学 )
小林傳司(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/科学哲学、科学技術社会論)
押川正毅(東京大学物性研究所/理論物理学)
鬼頭秀一(東京大学新領域創成科学研究科/環境倫理学)
島薗進(東京大学人文社会系研究科/宗教学)

15:10~15:30 休 憩

15:30~16:50 全体討議

16:50~17:00 閉会挨拶
丸井浩( 東京大学 東京大学 人文社会系研究科 、哲学委員会副長/インド哲学) 、


会議記録


※黒字はツイッターアカウントcobtaさんによる実況、緑字は会議に対するツイッターでの突っ込み

野家啓一さん
「きょうは人文科学者と物理学者が話をたたかわす。
原発というと賛成、反対の不毛な結論に陥りがちだが、共通見解はたどりつけないだろうが、実り豊かな不一致を目指したい」
「科学技術のもたらす問題は科学の領域だけでは解決できない。環境問題しかり、
インフルエンザしかり。原発災害はその最たるものだろう。人文科学者が何をできるか」

oO(シンポに際してうちのK林さんには、釈迦に説法だが、
低線量リスクの問題では、科学の話とリスク管理の話を分けるべき、
リスク管理は科学的正当性に加えて、根本的には倫理的・法的・政治的「正統性(legitimacy)」の
問題だというポイントが大事、という話を先日進言しておいた。)
hirakawah

とある学年主任の発言>「国の言うことを信じられないのなら、日本国民をやめてもらうしかない。」 http://t.co/sr3hO8lx
hirakawah

唐木英明さん
「20mSvがどれくらいの大きさのリスクなのか、放影研のグラフでは、
グラフの下限にへばりついているので、わかりづらい。国立がん研究センターの研究では、
たとえば100-200mSvで野菜不足や受動喫煙のリスクと同程度と評価している。
線量のリスクだけではなく、リスクの総和で判断する。避難、移動は新しいリスクももたらす。
ものすごい高線量の場合だけには、線量のみで判断する。
だが、福島ではそのような高線量リスクというのは、現場で作業にあたっている方のみにあてはまるだろう」

小林博司さん
「今回の原発についての藤原帰一、ジョン・ダワー、日本物理学会、の発言について。
そしてワインバーグの『トランス・サイエンス』について。ワインバーグは原子力研究者の師匠だが、
科学を超える問題群を説いた『トランス・サイエンス』は物理学者には読まれていない
班目さんのいう、低確率リスクを切り捨ててきただけ、そうしなくては工学的なものはつくれない、
今回は割り切りに失敗しただけ、というのは、その通り。だが、こんなシリアスな問題をもたらす割り切りなら、
これまで通り原子力村の専門家だけで決定していていいのか」

おぉー!bravo!!! RT @flurry: 唐木氏が発表で示した構図を直後の小林氏の発表がひっくり返す展開。
hirakawah

この暴言はいた先生も、親御さんたちと同様に八方ふさがりなんだと思うんだよね。
何もすがれるものがなくて、そういう権威主義的な発想になる。
RT @morooka73: いろいろな対応に忙しかったり、混乱したりで出た言葉なんだろうけど、
それにしても、つっこみどころがおおすぎる…
hirakawah

小林博司さん
「科学技術は専門家に任せるには大きすぎる。
研究者は第三者ではなく、ステークホルダーで、研究費が欲しい。何のための科学技術かの議論が必要だが、
みんな自分の研究は必要だし続けたいから、後付けで必要だという理由をくっつけてくる。
科学技術のシビリアンコントロールというものも、本気で必要なのではないかと思う。」

oO(K林さん、期待を裏切らないなぁ。。「K木さんとの正面対決、楽しみにしております」と
今週、再三期待申し上げていたのだがw)
hirakawah

押川氏が、正しく怖れるdis。広報よこはまの紙面と唐木氏の顔写真をスライドに。ケンカ売っとる……
flurry

押川正毅さん
「物理学者なので、今回の事故にはショックを受けている。自分はホットスポットといわれる柏に住んでいる。
1)リスク評価が正しいとして専門家が気にするべきではないと言い切れるのか?
2)専門家による科学的評価は本当に正しいのか?」

押川さん、戦闘モードか。。
hirakawah

押川正毅さん
「東大の大橋弘忠さんは格納容器が壊れるのは1億年に1回といっていたが今回いっぺんに3つも壊れた
(会場笑い)。また、神戸大学の地震学の石橋先生は事故の可能性を指摘した際、班目さんは燃料棒はいかなるときも
水の中に「あるべきである」と答えていた。べき…?」

押川氏飛ばす飛ばす。「疫学的に証明しやすいかどうかは科学者の問題であって、市民にとっての重要性とは別」
flurry

そういう意味で、さっき書いたように「八方ふさがり故の発言」なんだろうなと思いますね。
RT @mo0210: @hirakawah う~ん。信頼関係は確かに大切ですが、今回の放射能問題にどう対処するのが良いのか
自治体、学校、保護者の誰もよく分からないのが実態。保護者は学校や自治体にになんとかしろと掛け合うわけですが、
掛け合われてもどうすればいいのか手探り状態。これを忘れてはならない。
平川秀幸

学術会議のシンポ、行きたかったな^^;。

唐木先生、これ以上、農学部の恥をさらすのはおやめになっていただきたく……どなたか、鈴をつけに行かないのかしらん。
sakinotk

東大、どうもすごい展開になってるみたいですね.
TatsuyaSasaki1

押川正毅さん
「たとえば官邸HPや横浜市広報は、いまの線量では心配ない、がんはほぼ増えない、
チェルノでも小児の甲状腺がんがわずかに増えただけ、なとどいうが…。
科学的研究だけでは捉えきれないものがある。研究がジャーナリズムや現地の人の体験談と矛盾する部分がある
原発事故は再現、実験をして繰り返して検証するわけにはいかない事象。
もしかすると物理学というより考古学に近いかもしれない。
科学的研究だけをみて、ジャーナリズムや現地の人の体験談を無視するのではなく、後者にも耳を傾けていくべき。
どちらも無謬ではない」

ところで、唐木氏と押川氏が隣の座席配置なんですが。誰だよ設定したの。
flurry

そう思います.物理学者が籠からでられるか否か.
“@SOSOAO: ある意味歴史的な討論会かもですね……
RT @TatsuyaSasaki1: @SOSOAO やっぱり行けばよかった東大.かなり心残り.”
TatsuyaSasaki1

その点で南相馬の自治会の取り組みは良いモデルですね。http://t.co/FShbpouY
(「福島原発:南相馬の自治会が自力で詳細な放射線量地図」の記事)
RT @mo0210: その通りです。自らの問題として、自治体、学校、保護者が協同し、
まず、同一条件での測定を実施し、一緒に対策(必要なら除染)を考えていくのが良いと考えています。
hirakawah

鬼頭さんの発表には悲しみと怒りを感じる。直接はそういわないけど。研究分野の違いもあるだろうけれど、
現地入りしている人だ、というのもあるかもしれない。
cobta 2011/09/18 14:21:47

鬼頭秀一さん
「淡々と避難せずに暮らしている人たちがいる。わめきちらすわけでもなく。
一般の人が、おじいさんなんかも非常に線量について詳しくて、みんな線量計を持って、自分たちで測っている。
行政や専門家への不信感があり、自分たちで防衛していこうとする姿勢がある
科学的/判断/責任 の問題が混同されていたり、きちんと考えられていない、若手研究者の間でさえも。
1)科学者が従事する狭い専門領域での判断
2)より広域な専門領域での判断
3)社会的、経済的、政治的な問題も含めた社会的領域での技術官僚的立場での判断
政治家は責任を取るために存在しているのだが、それを専門家がこういったから、という。
官僚も先生方がそういいましたから、という。科学者は、わたしは自分の専門領域での判断をいっただけだ、という。
誰も責任を取らない。
いろんなレイヤーの大変さがあって混乱している。たとえばわたしのいる柏、
福島からみたらたいしたことないが、柏は柏で大変でいろいろ(除染など)している。
多摩のほうにいくと線量ずっと低くても、でもそれでもみんな低減しようとしていたり。いろいろだ」

全く仰る通りです。
RT @mo0210: @hirakawah 一点追加しますが、自治体職員、学校職員、保護者そして子ども達も、
放射能については同じ被害者です。誰が根本的に悪いのかは分かっているのですから、
被害者同士争うことには意味がなく、結束することが大切です。
hirakawah

鬼頭秀一さん
「被害をどうとらえるのか、水俣の経験から。被害者からみたら、個別の生が傷つけられている。
人格や生活まで含めて。客観的に、物理的に、発病するかどうかだけをみようとすると、
客観的であろうとしているにもかかわらず、加害者側に加担することになってしまう。
パニックは幻想であった。自分で現地にいてもそう思った。
物理的な、客観的な、政策論的な判断から抜け落ちてしまうもの。被害者個人の聞き取り調査、
エスノグラフィ的な手法でそこを掬っていくしかないのではないか。」

鬼頭氏。尻上がりにテンションが。すげえ。
flurry

島薗進さん
「単一の意見を持つ委員で構成されてしまっている日本学術会議の『震災放射線の健康への影響と防護分科会』
(山下俊一さん含む)。
情報提供の仕方も市民の方向を向いていない。わかりにくい。
また、官邸HPでのヨウ素の病気への投与例の紹介。これは不親切だ。
リスクがあるということ自体が人を不安に陥れるのでよくない、という言説じたい、どうだろうか、と思う。
SMCのサイトに3/22に掲載された山下俊一氏の、100mSvでもがんが目に見えて増えはしない、
という発言がいまだに生きている。これが科学といえるのか
中川恵一さんは『20mSvでもおそれることはない、もともと日本人の3人に1人はがんになるので、
ほとんど増えない』といっているが、医学界の中でもそれには異論反論がある
水俣を振り返る。メチル水銀は特定の臓器に蓄積する。
放射線はさらに広範に、身体中のさまざまな臓器に被害をもたらす。
広島、長崎でのABCCの調査では1950年以前の死亡が含まれていない。
多数の、被爆影響があると思われる、感染症などによる死亡があったのだが。そのことは長瀧重信さんも認めている
長瀧重信さんの、『科学的な正しさが林立すると、市民を混乱させるので、
そういうものを出すのはよくない』というのは、ウソとはいわないでも欺瞞ではないか。
正しさをひとつと決められず、異論もあるのに、それを市民には見せないという立場は科学的か
横浜市広報の『正しく怖がる』チラシは、いかがかと思う
(チラシに登場されているのがその場にいる唐木先生なので、とても、いいづらそうにしながら)。
特定の科学的見地が、そのまま市という政策決定者の見地に結びついてしまっているから。

第一部終了です。充実の内容です。ぜんぜんメモできないくらいもっと内容はリッチです。
どの先生も真摯だと感じます。鬼頭さん、島薗さんからは、水俣というワードが何度も出ました。
cobta 2011/09/18 15:05:30

小林さん秀逸 唐木さん極悪人かとおもったが普通だっ た
HayakawaYukio

唐木さん以外は、みんな立場は違えど、いまの政府の対応や報道のされ方には疑問をもってる感じ。
直接批判はしないけども。
cobta 2011/09/18 15:10:24

東大の押川さんも広報よこはまのことに触れてくれたみたいですね
@irukatodouro @clalappy
RT @flurry: 押川氏が、正しく怖れるdis。広報よこはまの紙面と唐木氏の顔写真をスライドに。ケンカ売っとる
Nguyen_ducThuan

小林博司さん
「高校理科の教科書編集にかかわったとき、薬の治験についての文章で
『科学によって明らかにできないこともあるのだ』と書くと、それが文科省の検定で引っかかった。
科学で明らかにできないと書いてはいけない。なんという科学信仰か。もっと反論すべきだったと反省。」
科学と政策のまじわるところ。そこがトランスサイエンスの領域。」

押川正毅さん
「官邸HPではチェルノ影響は小児甲状腺がんの増加だけだという。
しかし小児甲状腺がんはもともとほとんど存在しない。だから事故影響だとはっきりわかるだけ。
甲状腺に限ってもがんの手前の他の症状が1000倍あるともいわれる。また、甲状腺じたい氷山の一角だ。」
科学者の都合≠市民にとっての重要性」
「ジャーナリズムも嘘をつくことがある。朝日新聞のサンゴ落書き事件。また物理学でも、
考古学でも、捏造や誤りが起こる。
シェーン事件や、旧石器発掘捏造事件。科学的研究だけではなく、ジャーナリズムや体験談にも耳を傾ける

「御用だと金回りがいいのか」という要らぬツッコミを招きそうなww
RT @geophysics: 311以降NHKで「格納容器は損傷してません」と言ってた東大や東工大の先生たちは
皆オサレな紳士たちでしたよね。 “@SOSOAO: 唐木氏はそういう意味ではジェントルマン……”
hirakawah

残念ですねぇ。まとめの報告は後日出ると島薗先生が仰ってたので、それに期待ですね。
RT @flurry: 録画は公開の予定なしとのことです。
RT @hirakawah: それをそのままネット配信してほしかったでござる。RT @flurry: 入りきれなかったひとのために、隣
hirakawah

御用学者と称されている人がおしゃれなのは、霞が関での会議が多いからであって、
政府に雇用されると金持ちになるわけではありません。
謝金など規定額で首都圏以外だと行き帰りの時間浪費などを考えると返って赤字になります。
それ以外のメリットあって御用されるのですが、大学の中心規範からは逸脱よ
GenTarumi

昔、経産省の委員してた時も交通費+1万円くらいでした。
RT @GenTarumi: 御用学者と称されている人がおしゃれなのは、
平川秀幸

第二部始まりました。会場からの質問に答えます。

唐木さん
「まず横浜市広報の問題について。放射線対策の根拠を示す必要があるということで、
市が広報チラシを作成。そこで識者コメントを求められ、
横浜市の空間線量は平常レベルとほぼ変わらないので心配することはないと答えた」

日本学術会議の良心が問われる放射能シンポジウム、なぜステイクホルダーという重要な問題が問われない?
「過去、消費者団体によって罷免請求され川内議員質問主意書で明かされていた、
唐木英明氏をステークホルダーと認めながら
http://threechords.blog134.fc2.com/blog-entry-1060.html
irukatodouro

小林博司さん
「今回はメリットなしのデメリット増加なんですね(タバコとかと違う)。
また、リスクという言葉が文脈によってさまざまに変容させられている。
死亡や発病という定量化できるリスクと、避難や生き方という定量化できないリスクをごっちゃにするのはどうか」

こどもに工夫しながらも野菜を食べさせるよう努力してるし、受動喫煙も出来るだけ避けてます。
放射線を避けることもごく当たり前のこと
→唐木英明さん「たとえば100-200mSvで野菜不足や受動喫煙のリスクと同程度と評価している。」
satosana321

「メリットなしのリスク」は「リスク」とは呼ばない。ただの「危険(danger, peril)」。社会学的にも日常的にも自明の理。
同様に「自己決定の余地なきリスク」も「リスク」ではなく、ただの「危険」もしくは「危害」。
リスクとは、何らかの利益を目指して、自己決定して選択する行為に伴う損失可能性のこと。
それが語源的にも日常的にも正しい用法で、科学的な用法は脱歴史化・脱生活世界化した逸脱用法。
hirakawah

押川正毅さん
「自然の空間線量と変わらないからいい、という話にわたしは懐疑的。
何年か前に秋葉原の通り魔で7人なくなった。あれは大騒ぎになった。
確率の問題なら、もし首都圏で何人かが線量増加でがんになって亡くなってもいいのか。
またタバコや野菜不足との比較は政治的だ。」

鬼頭秀一さん
「唐木さんにばっかり話が集中してアレかなーと思うんですけども。
朝の情報番組に何度か唐木さんが出ていらして。関東はまったく大丈夫です、と
4-6月に何度か唐木さんがおっしゃってたのをハッキリ憶えていて。でも、分布はほんとにまだらですよね。線量の差がある
実は手元に簡易線量計に4台ほどあって、いろいろ測っていて、そしたらやはり唐木さんの関東全域で大丈夫、
というのは専門家としては不用意だと思う」

唐木さん「ずっと続くわけでなく、生涯100mSvまでは大丈夫なのだから」

鬼頭さん「いや、個人が判断すること」

唐木氏すげえな。サイボーグみたいだ。
flurry

イヤな頭の良さだ。
flurry

あ、唐木氏嘘こいてる。「生涯100mSv」といってなかったぞ。
年100っていってたぞ年20mSv大丈夫なら5年しか生きられないじゃないか。
私をSkypeで登壇させろ~!@cobta 木さん「ずっと続くわけでなく、生涯100mSvまでは大丈夫なのだから」
irukatodouro

横浜の空間線量は震災後大幅増、さらに昨日は1μSV40200ベクレル/kgというホットスポット、
各地で検出で横浜市緊急記者会見です。その点に触れんと
@cobta 押川正毅さん「自然の空間線量と変わらないからいい、という話にわたしは懐疑的。」
irukatodouro 2011/09/18 15:46:25

鬼頭秀一さん
「小林さんがこの話をメリットなしのデメリット発生だといったのは、そうだけど、
電力というメリットと引き換えでもたらされた、東京電力の事故だというのは忘れてはいけない。関東の電気を福島でつくっていた。」

島薗進さん
「不安がありません、不安は必要ありませんよ、という情報の出し方は、市民に何もするな、ということになる。
いかに被曝を減らすか、何ができるか、という問いには答えない。
たとえ福島近辺でなくても、小さな子どものいるお母さんは非常に食べ物に気を遣っている。
科学リスク評価について唐木さんに質問したい」

唐木英明さん
「来場者からも同じ質問が来ている。科学者だけでリスク評価ができるのか、という質問。
それでいうとまずリスク評価とは何かという話をしたい。
たとえば食品の安全評価。専門の科学者でしかできない」

唐木英明さん
「食品安全委員会の委員をしている。たとえば添加物の安全を確かめるときは動物実験をして、
全く毒性が出ないという閾値を確認する。そこにたとえば統計学者や一般人が入ってきても話がわからない。
また事業者や消費者が入ると自分達の利益に引っ張ろうとしてしまう」

行動するための情報が欠けていることが不安を余計に惹起するんですよね。
危機状態で人間は「日常」すら管理できない「無能力状態」に陥ってしまうので。
行動能力を高める情報提供は危機管理のイロハ。
RT @maya0520: いかに放射線を防護するかという情報が、もっと多くていいはずなのに
「安全です」の方が情報が多いと言う事は、バランスに欠けている気がする
ついでにいうなら、根本的に欠けているのは、行動のための「情報」ではなく、そもそもの行動の「選択肢」。
たとえば測定・除染、そしてとくに避難に関して政府・自治体の対策が不十分であるため、
市民が取りうる行動の選択肢が狭くなり、「八方ふさがり」で不安と不満とストレスが高まる構図が問題。
平川秀幸

小林博司さん
「双方向性というのは、何も一緒にフラスコ降りましょうということではなくて、どこが心配、
何が心配というところには市民の声が入ってくるべき。パブリックコメントだけでは不十分だろう。」

国会でステイクホルダーとして追及された唐木氏からこの言葉を聞くとはフライデーもびっくり
http://yokohama-konan.info/wp-content/uploads/2011/09/20051118.jpg
@cobta 唐木英明さん「食品安全委員会の委員をしている。。
また事業者や消費者が入ると自分達の利益に引っ張ろうとしてしまう」 #原発災害シンポ
irukatodouro 2011/09/18 16:01:27

小林博司さん
「原子力の世界で、パブリックコメントを必要だと思っている人は少数。
市民との双方向性や対話は重要視しておらず、広報くらいにしか思っていないところがある。
パブリックアクセプタンスくらいに思っている。そこを食品安全委員会ができてるのはBSEで失敗したから」

唐木さんはリスク評価への「参加」に関して大事なことを話してない。リスク評価を行うには、
何をどのような証拠に照らして評価するか、不確実性がある場合はどのように判断するかといったことを
決めなくてはならず、しかもそこには世の中の価値観や利害が関わる判断がたくさん含まれている。
そのようなリスク評価の前提となる、社会的判断も含めた事柄を「リスク評価方針」という。
大事なのは、例えば食品安全の国際規格を司ってるコーデックス委員会でも、リスク評価方針は、
それに先だって、消費者、事業者などステークホルダーや行政外部の研究者と協議して決めるべしとしている点。
つまりリスク評価というのは確かに科学的な作業だけれども、科学的判断をするための前提に、
実は社会的判断が含まれているため、そこをちゃんと社会にオープンにして方針を
決めなければならないということ、それを欠けば、科学の名のもとに特定の社会的判断を覆い隠すことになるということ。
そしてもこのようなコーデックス委員会の考え方は、日本の食品安全行政でも前提とされており、
部分的にはそういう機能は実装されてる。それを食品安全委員会でリスクコミュニケーション
専門調査会座長代理をした唐木氏が理解してないとすれば余りに不適切。知ってて黙ってるとしたら欺瞞。
リスク評価に含まれる社会的判断の話は拙著(http://t.co/iQEuuBNF )でも簡単に解説したのだけど、
本格的にはこちらの報告書参照(英文)。
これはリスク評価方針やそれを決める仕組みが国によってどう違うか国際比較したもの。
http://ipts.jrc.ec.europa.eu/publications/pub.cfm?id=1562
今リンクした英文報告書では、自分も共著者として、日本の遺伝子組換え作物の環境リスクと
食品リスクに関するリスク評価方針とその策定過程についてまとめてます。
hirakawah

小林博司さん
「原子力の世界の中に、必要があれば原発を止めるとか核燃料サイクルをやめるといった選択肢は最初からない。
市民への広報は考えていても、双方向性ではない。だからわたしは原子力安全委員会などの仕事をやるのは
(1年ほどやったけど)やめた。
唐木さんの発表は少し大本営発表すぎるかなと思う」

@flurry @hirakawah 日本学術会議のシンポジウムを録画で公開しないという時点で
すでに市民に沿ったものではない。そんな感覚の人たちには私たち市民の「いのち」を
語ってもらいたくないし、かかわってもらいたくない。
irukatodouro

小林博司さん
「線量の影響については、ユニークボイス(すでに統一見解ができている)でない問題を、
ユニークボイスであるかのように発表されているのではないか。ICRPだって年々変わっている」
{
唐木さん}
「ICRPはそういういろいろな見解をまとめたものだから信頼されている」

どうしても、唐木さん VS 他のパネラーになってしまうので司会の金井淑子さんが
話をなんとかいろいろ振ったり進めたりしようとしている。 #原発災害シンポ
cobta

小林博司さん
「ICRPでの見解の一致というのは、多様な見解があるところを割り切って見解を一致させている。
でないと使えないから。それを金科玉条にしていくかどうかというのは別問題」

押川正毅さん
「ということはリスク評価だけでなくリスク管理にもふみこんでるわけですね
すぐ『感情的だ』っていわれちゃうんですけど、こういうトランスサイエンスの問題において
完全に中立な科学者なんていないんじゃないかと思う。
タバコの話を持ち出す時点でそれも感情的だと思う。
僕もほんとは物理でいう理想気体みたいに中立でありたいです(会場笑い)」

すみません(汗)RT @MaruKoichi: @hirakawah先生のもっともなつぶやきが多すぎてRTしきれん。
hirakawah 2011/09/18 16:21:04

押川正毅さん
「これまで物理学者として、中立でありたいし、中立であれるように思ってきた。
しかし今の現実をみていると、どの科学者にも立場があると思う。幅広いスペクトルがある。」

すみません(汗)危機になると、みんな「何をしていいかわからない」状態になってしまうので、
「何をしたらいいか」という情報が大事だよね、って話でした。
RT @Ackiee25: 中坊でも解るような言いまわしで言って(笑)
“@hirakawah: 情報が欠けていることが不安を余計に惹起する…危機状態で人間は「日常」すら管理できない
「無能力状態」に陥ってしまうので…RT @maya0520:

まぁ、あのときは唐木さん的キャラがいませんでしたからねぇ。
RT @A_laragi: 6.26公共哲学シンポより対決色が強く、問題点が浮き彫りになっている感じ。
hirakawah

島薗進さん
「国立大学の教員だということで、制約があるのではという質問がきました。東大柏キャンパスの
高線量問題についての声明に賛同してくださった先生は(たった)70名です。
やはり自分の立場からは賛同しづらいという方がたくさんいます。」

唐木氏の発言を追うと、このかたを詰問しても解決しない気になる(溜息)
横浜市が「なぜ、唐木氏に」依頼したのかを知りたい。
又、今必要なのは、結果的に横浜市が 市民に安全デマを流してしまった事実を伝え、
先の情報を迅速に改めること、と私は考えます。#原発災害シンポ #hamaosen
AkikoIshii

鬼頭秀一さん
「東大はこの40年間なにをやってきたのかと思います。どこかでみたような風景がいくつもあります。
40年前ならもっと運動があったのですが。
市民調査というものはこれまでより進んでいけるのではないか。これまでは専門家の専売特許だったが。それを研究者がサポートする。」

押川正毅さん
「事故当初は全国で都道府県に1つだけモニタリングポストがあって、それだけを見て、
たとえば千葉は線量低いなどと認識されていた。その中で東大柏キャンパスの線量の高さがわかって、
それもきっかけのひとつとなり、各地で実は線量高いケースがあるのがわかった。
柏キャンパス問題。ホットスポットの存在が明らかになったことは貢献かも。
しかし、東大HPではこの線量で健康影響ないと明記したために、多くの自治体で『問題ない』とされてしまった。
継時的にデータをみたら事故影響なのは明らかなのに、それも明記しなかった。」

チェルノブイリでは風下・雨で多数ホットスポット、今回もその可能性を指摘する役目が科学者だべ 
今回”科学者”は何をしてきたのか@cobta 押川正毅さん「事故当初は全国で都道府県に1つだけ
モニタリングポストがあってそれだけを見て、たとえば千葉は線量低いなどと認識」 #原発災害シンポ
irukatodouro

金井淑子さん
「会場質問を受けて)原子力問題と放射線問題は別個だと思う。放射線治療はもちろん停滞させてはいけない。
それとはべつに、広島から福島に至るまで、どうしてこういうかたちになってしまったのか。
原子力村を後押ししてきたのはわたしたちの日常生活にひそむ欲望。」

平川先生の言ってるこれって、まぁ経済学で言う所の「アレ」と似た分類の話だよね
kumakiti2ch

金井淑子さん
「産官学一体で進められている状況。どうつきやぶっていけるのか。原子力問題は軍事問題と結び付いている。
原子力を推進してきた、東大を中心とするかっこつきの『科学者』…。
きのう駒場のシンポで若い研究者の危機意識にハッとした。大学だけで話す場合ではないかも」

会場からの質問は(質問してる人も研究者?かなり弁が立つけれど)原子力村の癒着、プロパガンダ、コングロマリット…、
技術の不完全性を隠蔽する欺瞞、産官学の倫理の欠如…などなど、激しいんだけども、話すばかりであまり質問ではないかも…。

@hirakawah 「科学的判断をするための前提に、実は社会的判断が含まれている」を、かみ砕いて説明していただけないでしょうか。
discoder

若い人からの質問
「憲法9条があるから軍事力を持てない。憲法9条についての議論を避けている。
だから詭弁をこねくりまわして原子力に固執するのではないか」

会場質問。白髪の男性
「福島の親御さんが一番気にするのは子どもの問題。タバコ、酒、子どもには関係ない。
広島長崎でもチェルノでも、子どものデータはない。その問題は今日触れられなかった。
山下俊一氏の論文を読むと、もし数人がんになればその陰に数千人の疾患があることに」

そういえばこの前小林さんと話していたことだけど、こと今回の放射能汚染問題に関しては、
メリットも自己選択もない以上、「ゼロリスク」を要求するのは、要するに自然放射線のみだった
311以前の状態への「原状復帰要求」であり、極めて当たり前の権利主張なのよね。現実どこまで可能かは別として。
hirakawah

会場質問。女性
「JOC事故で被曝作業員が搬送されたとき、中川恵一さんは研修医だったと思う。
それをみていてどうして20mSvで安全だなんていろんなところでいえるんだろう。
その感受性を人として疑う。科学にはそれだけの魅力があるのではないのか。とてもこわいと思う。」

会場質問。30代男性
「予防原則に即した対応が必要だと思う。乳幼児や胎児にはより慎重な対応だろう。
除染を本当にやろうとしたら多大な税金がかかるだろう。本当に除染でいいのか。他の対応は?」

会場質問。中年男性
「わたしは医師で、4月に現地にボランティアの医師として入っています。
管理区域としても許されないような、飲み食いも子どもの立ち入りもできない線量の中で、
福島では普通に人が暮らしています。こわがることを感情論というとは。唐木さんにお聞きしたい」

まぁそこら辺は「原発を導入した地方自治体と決定した住民の責任」みたいな話もあるんだけど、
ただどちらにしろ「汚染範囲」と「自治体決定の責任や受益者」が全然一致してなかったりするので、
「原状復帰要求」の妥当性判断についての全体像をひとつひとつ記述してくのは非常に面倒くさい作業だなぁ
kumakiti2ch

唐木英明さん
「おっしゃる通り、放射能の基準というのはダブルスタンダードなんですね。緊急時と平常時という。」

会場質問、男性医師。
「食べ物についてはどうか。オルタナティブが、代替食品がいくらもあるのに、
なぜ世界から拒否される500Bq/kgという緊急時基準のままで、福島の食品をあえて流通させるようにするのか」

唐木さん「今食べている汚染食品は、種類も量も少ないですから」

唐木さんは、ほんとにブレないなあ。声音とかもほんとにブレない。見た目もいちばん立派だなあ。
いちばんダンディでおしゃれだよ…。むー。 #原発災害シンポ
cobta

会場質問。元メーカーだという高齢男性
「電気の必要な社会で、どうしていくのか。もっと進んだ原子炉も今ならある。
電気がないとやっていけないということを考えてほしい。」
話が長かったせいもあるけど、会場から「反省が足りないよ!」「よく抜け抜けいえるなー!」と怒号…。

@discoder 一番わかりやすいのは、そもそも何をリスク評価の対象とするかという「スコーピング」や、
優先順位のつけ方ですね。
これは「何をよりいっそう避けたいか」「何を守りたいか」という価値判断にもろに直結しています。
あと微妙なところでは、たとえばある物質について、
安全性を示す証拠に対して危険性を示す証拠が少ないが、後者も科学的に誤りとは断定できないとき、
公衆の健康保護の観点から、少ない証拠でも重視して安全寄りのリスク評価モデルを採用するか否か
というところにも関わります。
先にリンクした報告書にある例ですが、安全を示す証拠は額面通りに採用するが、
危険を示す証拠には色々注釈をつけてなかなか採用しないという例なんかもあったりします。
これは意図的に産業側に立ってる場合もあれば、当人たちは無意識だけど結果的にそうなる場合もあります。
hirakawah

8万人を超える横浜の小学生に汚染牛を食わせ、保育園児にいたっては8回も食べさせているのを「少ない」と
irukatodouro 2011/09/18 17:21:58

島薗進さん
「きょうの企画には、唐木先生には出ていただいて感謝している。勇気あるというか。
さまざまな場で安全だとおっしゃっていた方はこういう場にはオファーをしても、ほんとうに出ていただけない。
日本学術会議は頼りにならんという会場質問をいただきました。
わたしもそう思いますのでこのような企画をいたしました。初めの一歩でございます。
内閣府の中にあるというのは、政府の科学政策にも近いということです(影響をおよぼせると暗示)。
がんばってまいります」

鬼頭秀一さん
「本来、工学的技術に値しない原子力が、技術として確立したかのように見えてしまったこと自体が、
20世紀の科学の限界であり問題。科学技術のコントロールが今後の課題。
いま福島については、人間に対して、大地に対して、どう影響があるか徹底的に研究しなくては。」

押川正毅さん
「きょうは放射能に話が寄りすぎだという会場からの批判があったが、健康被害の問題は非常に重要だと思っている。
そうでないと、放射能漏れても大丈夫だからまた事故が起こっても大丈夫だというふうにされてしまう。」

さっきのtw(http://t.co/GVP5QIDp )に補足:放射線リスクを巡っては、現実どこまで可能かという事実の問題と、
その事実=現実をもたらしたこと(者)の「責任」とそれに対する「権利」の問題と、二重になっている。
そして誰もが現実から出発せねばならんのは分りきっている。
そして、現実から出発せざるをえず、どこまでリスクを311以前の水準に近づけられるかはわからないからこそ、
「責任」や「権利」という道義的問題に対する納得できる答えもなければ、心のわだかまりは決して解けない。
前者だけではリスクと同時に無責任まで受忍させられる二重の不正義になる。
hirakawah

小林博司さん
「原子力村に疑問を抱いていたにもかかわらず、それを止めることができなかったということを反省している。
また、知的セクター、人材育成の場としての大学の責任も感じている。
文理をつなぐ人材がいない、文系も理系も狭い領域の中で近い者同士で会話している。」

「現実から始める」のが困難であってもそこから始めなければならないわけだが、
その困難さの過程で目的と手段がひっくりかえらないようにするためには、
「まず筋としての正当性」は明確にしておかなければならない。
その意味において「大筋で原状復帰要求は正当である」と最初に確認する必要がある
と、まぁそういうことなのだろう。【根本部分でどこに立つか】というのは往々にして
【空虚な論】扱いされがちだが、しかしこういう話をきちんと前提しないままテクニカルな話に走ると、
手段と目的はあっさりひっくりかえる。数字があるだけでは、実のところ「明確なビジョン」など意味しないって話。
kumakiti2ch

鬼頭秀一さん
「わたしは数年前から『御用学者の社会実験』ということを試みています
(おそらく御用学者としての立場を最大限利用するという意味)。
相手の土俵の中に入って、いかにできるか…。その考察をやがてまとめたいと思っているんですが、
まあ学術誌には載らないでしょうが」

小林傳司さん
「わたしは原子力安全委員会(だと思う。記憶曖昧)は市民との双方向性を志向していないとわかって、
関わるのをやめて、しかしその後、東北大学で原子力の賛成派も反対派も一緒に議論できないかという
試みがあり、そのお手伝いはしていた。しかし、原子力の賛成派も反対派も、議論をして、
たがいに間違いを指摘し合い、正しあい、調整していくという姿勢が欠けている。
それは原子力村にも反対団体にも通じる。最初から結論が決まってしまっていて、自由に議論するという空気がない。
自らを役割存在に固定している」






安田講堂
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最終更新:2012年12月11日 21:52