原子力委員会「原発・核燃料サイクル技術等検討小委員会」

2011年10月14日東京新聞
原発事故対応 コスト試算 1キロワット時2円上昇も

国の原子力委員会の「原発・核燃料サイクル技術等検討小委員会」は十三日、重大事故の対応費を
含めると原発の発電コストはどれだけ上昇するのか試算作業を始めた。
福島第一原発事故の損害賠償や廃炉、除染などの費用を考慮しても、上昇分は
電力一キロワット時あたり0.01(一銭)~二円程度にとどまるとの見込みが示された。
委員の一部からは算出根拠に異論が出た。

経済産業省の総合エネルギー調査会が2004年に行った試算では原発のコストは電力
一キロワット時あたり五・三円。水力(11.9円)や石油火力(10.7円)より
大幅に安いとされ、原発推進の宣伝材料にも使われてきた。

今回の試算値を加味すると、原発のコストは最大でも七円強となり、
なおコスト面の優位は揺るがないとの結果だった。

原子力委事務局は、損失額と重大事故の発生確率を掛け合わせて事故対応費を求める
方法を提案。示された損失額は廃炉費用なども含め5.7兆円。発生確率は
国際原子力機関(IAEA)が掲げる目標値のほか、福島第一の事故を踏まえた国内実績値の
二つが示された。

しかし、損失額は最低見込み額で、発生確率では、IAEAの値はあくまで目標で、
国内実績値より二ケタも低い。このため、委員からは数字の正しさに疑問が出された。


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最終更新:2012年12月11日 22:01