要対策戦術-耐久積み

概要

 耐久積みとは、瞑想や鈍い、溶けるなど耐久を上昇させる積み技のことを指す。こうした耐久力を上昇させる積み技を持ったポケモンには、意識的に対抗策を用意しておかないと突破不能になり詰まされる恐れがある。
 基本的な対策としては、そのポケモンが積んでも倒せる打点を用意する、耐久上昇の積みに対抗できる火力上昇の積みを用意する、一撃必殺の技を用意する、滅びの歌を用意する、宿り木の種を用意するなどが挙げられる。以下では個別の型と対策を紹介していく。

主要な耐久積みポケモン

クレセリア

 防御方面に努力値を振ることでバンギラスの鉢巻き噛み砕くを余裕をもって耐える物理耐久を持ち、瞑想を積むことによって特殊耐久も向上させ、晴れ状態の月の光による2/3回復で突破不能の状態を作る。物理相手にはゴツゴツメットでダメージを稼ぐことが多い。キュウコンと同時採用されたクレセリアであれば、この型を強く警戒する必要がある。

 クレセリアを一撃で倒しうる攻撃は鉢巻きや虫のジュエルをもったシュバルゴのメガホーンやハッサムの剣の舞虫食いなどである。それ以外の攻撃による対処としては、積む隙に高火力打点を叩き込んで高火力打点で縛れる圏内に削り、月の光をする隙を与えないことなどが挙げられる。カイリューやパルシェンなどの物理の火力積み、鉢巻きガブリアスや鉢巻きドリュウズ、バンギラスの悪技やバシャーモのフレアドライブ等の高火力物理打点などはそうした対処が取りやすい。瞑想を積む前の削りであれば霊獣ボルトロスの眼鏡10万ボルトや眼鏡ヒードランの大文字、シャンデラのシャドーボールなども有効。もちろん、こうした高火力の連撃による処理を狙うときは極力クレセリアに月の光をさせる隙を与えないことが肝要となる。

 一撃技や滅びの歌、宿り木による対処も有効。ただし、クレセリアの隣には高火力ポケモンが置かれていることが多く、そうした高火力ポケモンにこれらの技は有効でないので、ピンポイント気味の対処になることには注意。積まれる前ならば挑発も有効だが、これもピンポイント気味になる上、隣にクレセリアを2発程度で倒せる高火力ポケモンがいないと、余り有効ではない。毒々や呪いといった技は、ピンポイントで合わせる必要があり、かつ汎用性も低いので余り採用されない。

 月の光の回復量を下げる天候変化なども有効ではあるが、ユキノオーやバンギラスなどの天候変化特性のポケモンがいる場合クレセリア側はキュウコンを後ろに置くことが多く、先に相手のポケモンを落とせないと天候を奪えないので注意が必要。手動の天候変化はクレセリアに積む隙・回復する隙を与えるので注意。

ブルンゲル

 溶けるによる防御2段階上昇、自己再生による回復、そして何より特性の呪われボディが強力。防御特化で主にソクノの実を持ち、熱湯でダメージ稼ぎつつ火力を落としてくる。ブルンゲルと対峙するときには常にこの型に対する警戒が必要。必ず特殊打点による処理を確保した選出・立ち回りをしたい。

 対策としては、まず第一に特殊打点による処理があげられる。ただし、ソクノの実を持っているため電気技・ユキノオーの草技・シャンデラのアイテムなしシャドーボール・ラティオスの竜の波動などを一撃は耐えてくる。そして、その耐える段階で呪われボディが発動すると突破不可能になりかねないので、眼鏡電気や眼鏡ラティオスなどを使っている際は特に注意したい。また、最遅ユキノオーの特殊草技や最遅バンギラスの悪の波動などは、火力強化アイテムが無ければ上からの自己再生連打で倒す前に呪われてしまいやすい。よって、こうした特殊打点による処理を図るときでも、呪われボディの発動に対するリスクに備えて他のポケモンとの連携で倒せるパターンを用意しておきたい。
 ブルンゲルを担当する特殊打点が拘り眼鏡を持っている場合にブルンゲルを連撃で処理するには、一発目を高火力物理打点による攻撃、二発目を高火力物理打点or特殊打点で処理することなどが万全となる。呪われた場合に後ろのポケモンとの交換がしやすい状況なら、一発目から特殊打点で狙うのもよい。10万ボルトと雷の両方を持った拘っていない電気ポケモンなどは単体で有効な対策となる。

 また、一撃技や滅びの歌なども有効であるが、こうした技はブルンゲルがトリックルームによるサポートなどを専門として採用されている場合に、トリックルームを無償で決めさせてしまい二回目のトリックルームまで狙われる隙となりうるので注意したい。

ナットレイ

 鋼タイプの優秀な耐性に加え、鈍いによって防御を上昇させることで格闘を筆頭に飛行・虫・氷・地面などの等倍で通る物理技の威力を抑え、突破不能の状況を作ろうとしてくる。火力が上昇していく点にも注意。回復手段としては食べ残しによる回復、眠るによる回復、宿り木の種による回復などを狙ってくる。ユクシーと同時に採用されている場合などは特に、ユクシーがトリックルーム・癒しの鈴をもっており眠るナットレイと相性がよいので、この型を警戒してよい。また、鈍いは当然ながら火力も上昇させてくるので注意。配分はHB・HA・HDなどとさまざまであり、攻撃技には鈍いナットレイミラーで鉄のトゲのダメージを受けないタネマシンガンを持っていることが多い。

 対策として有効なのは、まず第一に炎タイプの攻撃による対処である。ただし、鈍いナットレイは雨パに組み込まれていることも多く、炎技の通りは悪くされやすい点には注意。雨下ではバシャーモの珠フレアドライブも耐えうる。
 単体で突破しうるのは、特殊の炎打点、ボルトロスの気合い玉のような特殊の格闘打点、次いでバシャーモの物理炎打点、物理格闘打点などが主要となる。コバルオンなどは耐性によりトリックルーム下でもナットレイに強く、鈍いに対しても聖なる剣があるので格闘タイプの中では比較的ナットレイに強い。他には剣舞シュバルゴやハッサムなども対抗しうるポケモンである。
 積む隙に高火力技を叩き込み、回復する前に連撃で処理するのも有効な手段である。ただしトリックルームを絡められるとそうした処理は難しいので、極力単体で突破しうるポケモンを確保した選出・立ち回りをしたい。

 一撃技や滅びの歌については、これらの技を使えるポケモンが決してナットレイに強くないことが多いため、有効とは言いにくい。

ローブシン

 光の壁やトリックルームなどのサポートを受け、ビルドアップを積み、オボンの実やドレインパンチなどにより高耐久を為す。耐久積みというよりは火力・耐久両方の積みである。火炎玉や命の珠+力ずくによってすぐに高火力を出してくるパターンもあるので注意。

 鈍速ポケモンで耐性も多くないので、基本的には上からの高火力で押し切るのがよい。飛行タイプやエスパータイプの高火力打点を持ったポケモン、カイリューや眼鏡ボルトロス・サンダー、シャンデラなどの格闘タイプに耐性をもった高火力ポケモン等が適任。格闘タイプに耐性が薄いポケモンだと光の壁やリフレクタ―+ビルドアップドレインパンチにより殴り負けかねず、マッハパンチによる縛りも受けやすい。また、格闘タイプに耐性のあるポケモンでもストーンエッジやしっぺ返し、三色パンチなどのサブウェポンには注意。
 こうした処理を狙う場合、相手のトリックルームに対して切り返せるゴーストタイプやエスパータイプのトリックルーム要員がいるとなおよい。

最終更新:2012年10月30日 21:21