ホルミシス

以下、放射線と通常表記される語をイオン放射線と表記する。イオン放射線とは、エックス線、ガンマ線、
ベーター核種を指す。

放射線ホルミシス(radiation hormesis)という推測を主張する者あるいは現象をホルメティクス(hormetics)と呼ぶ。
薬理学におけるホルミシスの正確な定義は、「生体内の毒物による副次的抑制濃縮刺激効果
(The stimulating effect of subinhibitory concentrations of any toxic substance on any organism)
ところが放射線ホルメティクスらによってこの定義は拡大されいつのまにか『生物に対して通常有害な作用を示すものが、
微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用。』という風に改竄された。その歴史的背景を検証しよう。
1980年トーマス・ラッキー Dr.Thomas.D Luckey によって
『イオン放射線とホルミシス』Hormesis with Ionizing Radiation( Boca Raton,FL CRC Press )
が出版された。
動物、植物、種子、微生物にイオン放射線を照射した約一千件に及ぶ事例を紹介し、
その生体変化について概ね良い結果を得たという報告がなされている。
しかしラッキーのこの実験は、低レベル放射線にのみ基づいて行われたものではない。
500レントゲン 鶏の発育がよくなった。
毎時72レントゲンでねずみの脳が活性化した。
フイッチ鳥の羽の色素が濃くなった。
等々。

『独立行政法人 農業生物資源研究所 放射線育種場』がやってきたことと似たような実験といえる。
ところでこの放射線育種場は、我々が昭和三十年代に愛読していた小学館の図鑑にも紹介されている。
未来は、ばら色の原子力技術にあふれており、突然変異で作られた植物、農産物を利用して大いに発展すると書かれてあった。
ラッキーの研究は、放射線による発ガンの危険性はまったく度外視しており、またそのような実証的な研究も無いまま、
その後は1981年Richard J.Hickeyらの低レベル放射線は癌の抑制効果があるとの主張、
通称『デンバー・タイプ』を引用し自説を補強した。
1980年という年は、ホルメティクスの起源を知るのに非常に重要な年である。
米国ニュークリア・エスタブリッシュメントの御用学者がこぞって安全性を唱え始める。
まるで全ての科学的知見を得たかのような自信に満ちたこれらの科学的根拠と主張はどのような研究に基づいていたのか。
その研究背景についての真相を理解するには『隠された放射能人体実験の歴史』が明るみに出るまで謎だった。
この点については後に述べる。
1980年という年は、また、マリアナ、マーシャル諸島、ポリネシア、ベラウ(パラオ)で反核運動が盛り上がった年であることを
忘れてはならない。南太平洋の被爆者たちの声を封殺するかのように、核廃棄物の海洋投棄を行っていた日本政府、即ち自民党は、
81年に『原発反対運動粉砕』を運動方針に掲げた。
ロウリストン・タイラー Lauriston Taylor( The National Council on Radiation Protection )の前会長。
『放射線安全基準と労務規程に関する非科学的影響』という論文を1980年『 Health Physica 』に掲載。
『40年間の研究のなかで低放射線で障害を起こした例は一切無い』と主張している。
リチャード・ヒッケイ Richard J.Hickey
( Professor Emeritus of Statics,Ecological Statics Group, University of Pennsylvania Wharton School,Philadelphia )
によって書かれたいくつかの論文が掲載された。
『 Health Physics 1981 これらの論文は通称『デンバー・タイプDenvor-Type』と呼ばれ、閾値のもんだいを正確に記述していない。 
『 Chemical and Engineering News [ Health and Nuclear Power Plant ] 1981』『放射線には安全な線量が存在する』
『細胞は低レベル放射線を受けて刺激され遺伝子修復機能が生じる』と主張するもの。
ロザリン・ヤーロウ Rosalyn S.Yalow
( Senior Medical Investigator at the Veterans Administration Medical Center in the Bronx,New York )
Radio Immunoassay Technique で1977年ノーベル賞受賞。
『放射能ヒステリア』『レディオフォビア』という言葉を編み出し、巧みに反原子力推進派を批判。
1980三月九日、ロングアイランドの地方紙に放射能について恐怖を抱くことは非科学的という論文を掲載した。
[ Science: Our Hope, Not Our Foe ( Long Island Newspaper NEWSDAY )]
『低レベル放射線の健康被害について政府が調査研究助成金を出すことは、国民が望んでいない』と代弁し、
1985 [ The National Institute of Health Commitee of Quantify Radiation Hazards ] の委員に選出される。
ベルトラム・ウォルフ Bertram Wolfe ( President of the American Nuclear Society 1986)
チェルノブイリ事故以降、「Denvor Post紙」で『放射線には安全値が存在し、人体に有益な効果も存在する』との宣伝をはじめる。
ウォルフの異常とも言える理屈はその後も日本のホルメティクスに受け継がれている。
『アスピリンを百錠飲むと死ぬとしよう、百人が一錠ずつアスピリンを飲んで一人が死んだからといって、
それでアスピリンの服用について疑問が生じないのと同じように低放射線照射についても言える』
1985年には、低イオン放射線は、人体に有益であるという論調が強められていく。
その中心的人物らは、電力会社の調査機関 ( The Electric Power Research Institute ) にスポンサードされた
レオナード・セーガン Dr.Leonard Sagan 
シェルダン・ウォルフ Dr. Sheldon Wolff
セーガンらは、より踏み込んで低放射線が『実験動物の寿命を延ばした。遺伝情報上の損傷効果。免疫システムへの効果・』について言及していく。
以上、これら米国御用学者の主張が科学的根拠と論文的形式を備えていたかというと、それはまったく御粗末なもの。
よって良識あるアメリカの科学者らに妄想だと批判されているわけです。

御用学者に問いただしてください。
放射線によって損傷を受けた遺伝子は何秒後に、あるいは、何時間後に自己修復を始めるのか。
自己修復・自己治癒をさせるメカニズムは、あるいは修復メカニズムを喚起する放射線レベルの値は何か。
遺伝子の三つの損傷の性質と差異について詳細を知っているのか。
自己修復されていない ( Unrepaired ) 遺伝子情報
自己修復しえない ( Unrepairable ) ほど傷を負った遺伝子情報
間違って自己修復された ( Misrepaired Injuries ) 損傷した遺伝子情報
松本義久が、『無理して修復せず、細胞自ら死に至る機構 「アポトーシス」』がどのような経過で
『遺伝子の神様』の御計らいを受けるのか科学的に示してもらいましょう。
フリーラジカル( Free Radicals )とアポトーシスについての相関関係と計算式、
有効だとされるイオン電磁波が細胞膜を通過する10の -14秒とうい極小単位のなかでどのような影響変化を及ぼし、
その数値はどのように求められたのか。

参考文献: [ Radiation-Induced Cancer from Low-Dose Exposure : An Independent Analysis ]
         John W.Gofman,M.D.,Ph.D
         1990 : First Edition
         Committee for Nuclear Responsibility,Inc.
         http://www.ratical.org/radiation/CNR/
         C.N.R. Book Division
         POB 11207 San Francisco, California 94101 U.S.A    


790 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(関西地方)[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 00:46:16.87 ID:4BnPPixP0
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm14504545
武田「普段でも1億ベクレル漏れた時に原子炉止めたりと大騒ぎするのに、その1億倍漏れたら安全と言い出すのは、不見識すぎる」
元放射線医学総合研究所主任研究官医学博士 崎山比早子
崎山「低線量なら体に良いというのはホルミシス効果と一時15年くらい前に言われましたが
     ホルミシスをサポートする科学的データはありません。
   アメリカの科学アカデミー『低線量放射線の生物影響』でもホルミシスをサポートするデータはないと書いてある
   東大の医者がネットでホルミシスと叫んでるけれども、まるっきり科学的根拠がありません」
琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬「低線量云々は外部被曝について言っているんです。
微量な放射性元素を体内に入れるだけでも影響があります。
    死亡率と線量のグラフで見れば内部被曝は特に低線量まで大きな効果がある。これが世界的に言われています。
    そもそもホルミシスは放射線によってDNAの二重螺旋が両方ちょんぎられるというところの話ではなく、
    細胞内の水に当たって活性酸素が作られて云々というところどうのと言われていただけです」
原子力安全委員会委員 久住静代「ホルミシス効果というのは科学的効果がないというのが現在の考え方です」


放射線治療関連の基礎実験で、照射前に微量の放射線を照射すると細胞の生存数があがるという研究論文はあります。
ただ、これは生体の緊急避難的な挙動だと私は思っています。ホルミシスは存在してもある一定期間のみだと考えます。
癌の発生母地として慢性炎症の存在があります。しかもそれは十年以上経ってからです。
ネズミはその多くが癌になる以前に寿命がくると考えれば、修復の余力が残っていることは納得がいきます。
我々はネズミより長い寿命が長いのですから希望的観測は危険です。

dr_chasiba
2011.06.09 08:12:51

ドキュメンタリー「被爆の森はいま」http://bit.ly/lra4FZでとりあげられたアンデルス・モレール博士と
ティム・ムソー博士の研究結果の論文(汚染地域の鳥は脳が小さい)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3033907/



261   :御用聞き(東京都)[sage] 投稿日:2011/06/22(水) 13:47:12.46 ID:1T6WNisS0 [19/19]
259
トーマス・D・ラッキーでぐぐると、めまいがする件

262 返信:名無しさん@お腹いっぱい。(大阪府)[] 投稿日:2011/06/22(水) 14:46:28.24 ID:inj5aErI0 [4/5]
261

ほんとだw

なんかもう、ホルミシスとホメオパシーの区別がマジでつかなくなってきたw

263 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(群馬県)[sage] 投稿日:2011/06/22(水) 15:08:38.48 ID:ccWptQV60 [1/7]
一般社団法人 ホルミシス臨床研究会第が7月24日(日)に東京理科大学にて講演会を開くそうです。
顔ぶれは、電中研のメンバーと、分かりやすい布陣になっています。

電力中央研究所 研究顧問: 石田健二
電力中央研究所 上級特別契約研究員: 馬替純二
ホルミシス臨床研究会 理事: 服部禎男

【参加申込書・予定表】  第4回放射線ホルミシス講演会参加申込書
http://www.thar.jp/pdf/2011_04_kouenkaisanka_yotei.pdf
2011年5月25日 第4回放射線ホルミシス講演会開催!
http://thar.jp/information/post-8.html

265 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(群馬県)[sage] 投稿日:2011/06/22(水) 15:52:02.36 ID:ccWptQV60 [3/7]
稲恭宏のホームページを見ると、Samurai of Medicine, Dr. Yasuhiro INA, D.M.Sc.とある。
なんだこれはと思ったけど、 Dose Responseのトーマス・ラッキーの紹介を見ると・・・

Sir Samurai T. D. Luckey, PhD, Dose Response. 2008; 6(1): 97–112.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2477726/


上記のSir Samurai T. D. Luckeyなんの科学的臨床的根拠もない単なる思い込みによる「仮説」が一人歩きしていく様子が、
読み取れて大変参考になりました。本人が告白してくれているので笑えます。日本人による演出により、
「即席親日家」まで演じさせられてしまうところは、知名欲に弱い単なる田舎の白人のおっさんという風体が丸出しですね。
科学者というには程遠い人物だというのがよくわかりました。


752 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(愛知県)[sage] 投稿日:2011/06/30(木) 17:47:33.04 ID:L2lC/JHhP [8/10]
@kobukishinichi
小吹伸一
ECCRのホルミシスについての見解p.tl/tDJ7
「細胞が(低線量被曝で)修復複製感度が高い状態に誘導されると
細胞は大きな複製速度を持つ。老化は細胞複製の全回数の関数なので、
授けられる短期の利点の結果は、多数回複製によるDNA損傷蓄積
生命力の長期的損失」。
6月29日

565 返信:地震雷火事名無し(群馬県)[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 04:55:37.22 ID:WOIeXMYD0 [1/3]
540
放影研のグループが2011年に発表した総説には、『寿命の短縮』(Life Span Shortening)という節が設けられていて、
線量に比例して平均余命の減少が報告されています。これは癌死などによって寿命の損失が起きていることを意味しています。

Life Span Shortening.
『Median life expectancy decreased with increasing doses at a rate of about 1.3 years/Gy』
『It was estimated that at 1 Gy, the proportion of total life lost was roughly 60% from solid cancer,
30% from diseases other than cancer, and 10% from leukemia.』
http://www.dmphp.org/cgi/content/full/5/Supplement_1/S122

一方、原爆長生き説は、おそらくホルミシス派の近藤宗平が広めた説のようです。
近藤宗平 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%97%A4%E5%AE%97%E5%B9%B3

さらに、トーマス・ラッキーに至っては、近藤の原爆長生き説などを用いて、
「原爆の健康への恩恵」だとか、ふざけたタイトルの論文をホルミシス系の雑誌に掲載しています。
そのうち、原爆は健康にいいのだから、無料で被曝させてもらって感謝しろだとか、喜べとか、言い出す勢いですな。
Atomic Bomb Health Benefits
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2592990/
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1170239861

バーナード・コーエンのラドンのホルミシス効果を調べた生態学的研究も、
まず、手法そのものに関する問題点があり、しかも、WHO等の大規模コホート研究によって
ラドンと肺癌の関係が明確になってきたので、ホルミシスの根拠としては問題ありです。

近藤誠の『放射線被ばく CT検査でがんになる』(p161-162)によれば、ホルミシス説の検証が行われていて、
中国の高線量地域の定住者に関する研究に関しても癌死亡率の差は見られないとの報告がなされているようです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4750511137/

航空機パイロットでは、染色体転座の頻度の増加が報告されています。
長期間の飛行経験を有する航空機パイロットにおける染色体転座の頻度の増加
http://www.cancerit.jp/2084.html

ホルミシスというか、自信を持って明確に効果ありと言えるのは、放射線治療でも行われている
「疼痛の緩和」くらいだと思います。これも、健康人に行うものではないですね。

高木学校医療被ばく問題研究グループの『受ける?受けない?エックス線CT検査―医療被ばくのリスク』という本にも、
ホルミシスに関して扱っていて、近藤誠の本と同様、参考文献・論文が充実していて参考になると思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4822808661/

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ありがとうございます。拙者の知らないことも多くご教授いただきましたこと感謝しております。
放射能安全神話の『レトリックの起源』を調べていくと、先に触れた、Lauriston S. Taylorにたどり着きます。
1902年生まれのタイラーは、102歳まで生きたのですが、その長寿の原因が放射能のおかげだという伝説(息子ネルソンの話)まであります。
US National Board of Standards米国基準委員会に勤務し、放射線被曝に対する安全基準値を最初に設定した人物であり、
その後も、国側の弁護人として放射線の取り扱い従事者の訴訟に対して低レベル放射線の無害を唱えてきた人物です。
いったい、その科学的根拠は何だったのか? という問いに対する論拠となるものは、米国基準委員会の研究所で勤務中、
1928年26歳の時、レントゲンの取り扱い不注意で自ら2Gyグレイ被曝してしまうという出来事に由来するということだけです。
鉛の防護板を外したまま放射線メーターを調整していて被曝した、という自らの体験から、低レベルの放射性は、
何ら影響ないと結論付けてしまったのです。
このような個人的な体験が科学的論拠として扱われるということ事態が既に不条理です。
彼は、この体験から「証人witness」として政府の弁護人と成ったのです。この体験で本当に被曝したのか否かは誰も知りません。
現在、日本政府の進めている希釈政策も、ロウリストン・タイラーとその組織である、
National Council on Radiation Protectionが1954年に公に流布した年間36レム被曝しても健康上問題ない、
「毒素は拡散して薄まり毒素じゃなくなる」というレトリックです。
ゴフマン博士は、この基準だと1979年当時の米国年間癌死亡件数39万人の20倍のがん患者の悲劇を生み、
年間720万人の癌患者の死は、総死亡件数200万人を大きく上回るとしています。
1979年のゴフマン博士の著書『An Irreverent Illustrated View of Nuclear Power』には、被曝死亡率予測計算式が書かれています。
毎時0.002レムの被曝を百万人が三日間受けたとすると480人が癌、白血病、遺伝子生涯を起こすと予測される。

( 0.002レム/時間 ) × 72時間 × 100万人 × ( 死亡件数 1/300パーソン・レム ) = 死亡件数480人
( 0.002 rems/hour ) x ( 72hours ) x ( 1.000,000persons ) x ( 1 death / 300 person-rems) = 480 deaths

東京都の放射線量(時間毎) の東京都観測放射線値をお知らせします。
最大値:<tr> 最小値:2012-01-24 平均値:21:01~22:00 (単位:マイクログレイ/時間)
東京都の放射線量(時間毎) の東京都観測放射線値をお知らせします。
最大値:<tr> 最小値:2012-01-24 平均値:23:01~24:00 (単位:マイクログレイ/時間)

‎22 μGy/時間 = 0.018 mSv/時間
22 μGy/時間 = 1.76 mrem/時間
24 μGy/時間 = 0.019 mSv/時間
24 μGy/時間 = 0.002 rem/時間
24 μGy/時間 = 1.92 mrem/時間


今日の東京都発表の平均放射線量 高い値は24マイクログレイ/時間、これは.0.002レムになる。
ゴフマン博士の計算式に当てはめて計算すると、とても怖ろしい結果が出る。
この計算式が発表された1970年代のアメリカの原子力規制委員会の設定値は、1800person-rems。
ゴフマン博士は、1/300パーソン・レム に設定した。
当時は、放射線モニターシステムもなく、この1800person-remsという規制値にはまつたく意味がないと
ゴフマン博士は痛烈に批判しています。
当時のNRCやAECの理屈がそのまま輸入され今日の日本の原子力委員会の理屈となっていることは言うまでありません。
この屁理屈の変遷と進化についてゴフマン博士は、以下のように説明しています。
「希釈すれば毒素は無くなる」という理屈からこんどは、「再定義」即ち、核廃棄物を資源という言葉に置き換えるという
再定義の理屈が原子力委員会の議長Dr.Dixy Lee Ray女史によって提唱されます。
産業用戦略装備品に活用すれば良いということになり、人工心臓、計測機器、医療機器、触媒、検知器、食品放射,等々。
Dr.Bernard Cohenは、核廃棄物は、600年後に食料になると発表。
オークリッジ国立研究所のDr.Alvin Weinbergは、放射能の危険性は認めつつ、1974年に早くも放射能被曝性癌及び遺伝子異常は、
治療が可能となると推測。「だから心配ない」
エネルギー省副長官Dr.Jim Livermanによる[ Safe Handling]「適正な安全対策」という理屈の登場。即ち、危険性を訴える研究者、
ウィスル・ブロアーの排除。
Dr.Lynn Draper「技術的困難には必然的に技術的解答が存在するのでプルトニウム経済による汚染問題は生じない」
ゴフマン博士は、Ionizing Radiationは、発がん性 Carcinogenic であると同時に催奇性Mutagenicの両方を併せ持ち、
発癌のみならず遺伝子損傷が若年層に引き起こるとし、Dr.Dixy Lee Rayが放射能による実害は確認されていないとの公言に対し、
議会公聴会で宣誓し、核実験によるその被害は、百万人から二百万人に及ぶと発言する準備ができていると書いている。
そしてDr.Dixy Lee Rayは、1978年ロナルド・レーガン大統領のお墨付きを得て、
プルトニウムを各家庭に夢の資源として活用することを提唱したのです。
技術化と制御技術への過信とばら色の未来予測、1970年代のこの時期のサイバネーション理論にも色濃く、
技術進化への過信のみならず、人類の進化は、放射能汚染というふるいにかけられ強靭な遺伝子が進化し、明日を担うという、
イギリスの物理学者ウェード・アリソンが登場。
ご指摘にあったように『放射能を怖がるな』の著者ラッキー博士の[ Atomic Bomb Health Benefits ] T. D. Luckey
なる論文のネタ元は、近藤 宗平・理学博士。近藤博士の論拠は、米軍ABCCとその後継機関である放影研。
これまでローリストン・タイラーから面々と続く、とても科学とは言えない御粗末な希望的観測を「奴隷道徳」で
美化し結論付けたとしか思えません。
ユーチューブでGoddardsJournal 2012年1月22日を見ると、DOE米エネルギー省が反撃に出ていることが伺えます。
ローレンスバークレー国立研究所のLynn Yarrisが書いた2011年12月20日の記事には、こう書かれています。
[ combination of time-lapseliveimaging and mathematical modeling of a special line of human breast cells,have found evidence to suggest that low dose levels of ionizing radiation,cancer risk may not be directly propotional to dose }
これは、米エネルギー省の研究報告Costes/Bissel paperを受け売りにしたエビデンスの捏造に加担するセールストークにすぎません。
検体である乳細胞は、「in vitro」 「ガラス容器シャーレのなか」で培養した細胞に低レベル放射線を一箇所に当てた単一細胞
non milignant hunman mammary epithelial cells a monolayer被曝の過程を観察したものに過ぎず、科学的なエビデンスとしては、
「in vitroガラス内」の現象は、最下位に位置する。ニューヨーク州立大学のevidence based study of medicineのピラミッドを参照。


しきい値のない直線反応関係(LNT: Linear-Nonthreshold Dose-Response)を否定し、閾値が存在するとするICRP主委員会の
ロジャー・クラーク委員長の1999年の論文により「制御可能な線量」という概念が登場し、
さらに、閾値以下は、健康によいという、これまでの不安を一挙に払拭する話がでてきたと言うわけです。
先のロウリストン・タイラーの長寿の秘密が語られるようになったのは、タイラーの百歳を祝うエッセイで
オークリッジ研究所のPaul Frameが書いたものであり、当時タイラーは、アルツハイマーを発症しており、
1928年の出来事は検証不可能であるにもかかわらず、低レベル放射線の恩寵であるかのように語られていたというわけです
「俺が大丈夫だから大丈夫」という屁理屈は、精神主義的肯定論をも装い、否定的感情、不安を煽る放射能批判者は悪だとする
強力なプロパガンダです。
確実なこと。。

1.『一個人にとって、放射線誘発性癌は、他のあらゆる疾患、事故と同様、統計学的な確率の問題です。
  しかし人口全体としてみた場合、その発生は、確実です。』ジョン・ゴフマン

必見!!
Low-Dose Radiation is not good for you, new A-Bomb study: http://bit.ly/L8tsZJ
Published on May 15, 2012 by GoddardsJournal
2012年の『原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報』(放射線影響研究所)を基に低レベル放射線の危険性を指摘。
まさに、ゴフマン博士が長年に渡り主張してきたデータがここに明らかに。。

以下、ナーレションの訳
歴史的基点となる研究報告書、日本の『原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報』(放射線影響研究所)が発表されました。
この研究報告書は、低放射線量が癌を誘発リスクがあるという事に関するばかりか、
低線量被曝の単位線量あたりの与える影響は高レベル放射線被曝よりも癌誘発リスクが高いという最も確実な証拠を示しています。
また、この報告書によりイオン放射線は、癌以外の循環器系、呼吸器系、消化器系の疾患の要因となっていることを示しています。
このビデオでは、この新たな調査報告書を紹介しながら、
被曝線量に反応する直線性( 線形 )と非直線性(非線形)について考察しています。
なにより、これまで広く一般的に持たれてきた原爆生存者に関する間違った解釈について提言しています。
1947年、広島、長崎への原爆投下後、全米科学アカデミーは、原爆生存者らにおける放射能による人体への影響を調査する目的で
原爆障害調査委員会(ABCC)を設けました。1975年には、委員会の名前を「放射線影響研究所」と改めて、
日本政府の協力の下に組織を再編しました。
委員会は、原爆生存者の健康状態に関する報告書をこれまで十四回調査報告書を発行しています。
放射線影響研究所のウェッブサイトの表に示されてように放射能被曝を原因とする固形癌による死亡発生率は、
原爆投下から年を追うごとに増加しています。
癌発生リスクと放射線被曝量の対比表に示されているよう、無害な被曝量は存在しないことが明らかです。
これは、しきい値のない直線反応関係(LNT: Linear-Nonthreshold Dose-Response)モデルが相応しいことを示しています。
放射線影響研究所の2012年の報告書『第14報』は、原爆生存者集団に関するデータは、発展過程にあるが、
傷害と被曝の線形の反応関係が示されていることを継続的に確認していると報告しています。
さらに、閾値は存在せず。放射線被曝が無害であるとされるような値は存在しないことが報告されています。

ハイライト( 2:31).............................

The risk of all cause of death was positively associated with radiation dose.Importantly, for solid cancers the additive radiation risk (i.e.,excess cancer cause per 104 person-year per Gy ) continue to increase throughout life with a linear dose response relationship.
全死亡のリスクは、放射線量と関連して有意に増加した。重要な点は、固形癌に関する付加的な放射線リスク
(即ち、104人年/Gy当たりの過剰癌症例数)は、線形の線量反応関係を示し、生涯を通して増加を続けていることである。
The estimate lowest dose range with a sigificant ERR for all solid cancer was 0 to 0.2 Gy. and a formal dose threshold analysis indicated no threshold; i.e.,zero dose was the best estimate of the threshold.
全固形癌について過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は、0 から 0.2Gy であり、定型的な線量閾値解析では
閾値は認められなかった。即ち、ゼロ線量が最良の閾値推定値であった。

...........................................................

02:43

ここに原爆生存者集団 (コホート)の固形癌と被曝線量の反応関係を示す最も最新の表4(ERR・過剰相対リスク)があります。
1950年から2003年までを調査期間として、グラフのX軸、水平軸を被曝線量のスケール、
縦のY軸を癌発生リスクのスケールとして関係性を示しています。
赤い線は、線形反応の傾斜をハイライトで示したものです。
見ての通り、癌リスクは、確実に被曝量の増加と比例して高くなることが明らかです。
被曝線量の全領域を示すグラフとして、直線反応関係モデルは、最適ですが、小さな値の領域を示すものとしては、完璧とは言えません。
なぜなら、報告書の筆者らは、被曝線量の値のゼロから2グレイ、2シ-ベルトの区間で大きく上向く曲線傾向を確認しており、
近年、この点の重要性が注目されるようになりました。
さらに注目されるべき点は、低線量被曝値にみられる一単位線量当たりが与える高いリスク値です。

3:53 to 4:17

これについては、特定の被曝線量に対応する過剰相対リスク(ERR/Gy)パー・シーベルトとして表5で示されてる通り、
最も低いデータの値は、20ミリシーベルトで、日本政府当局が福島県の安全基準地として設定した値と同じですが、
見ての通り、明らかに無害と認識されるべき値ではありません。
報告者らは、このグラフにある非線形反応関係の因果的説明がないことを記しています。最も控えめな解釈として
「低線量被曝は、無害ではない」と語っています。
調査対象のグループ(コホート )から得られた、もう一つの重要な点は、被曝線量と癌以外の疾患の増加傾向を示す関係性についての
発見です。循環器系、呼吸器系、消化器系の疾患です。

4:49

表6で示されているのは、結腸被曝線量に対応する反応曲線で、
固形癌とそれ以外の疾患の調査期間中の発生リスクERRの変化を示しています。
点線は、1950年から1965年までの被曝線量に対応する反応曲線、
太い線は、1966年から2003年までの被曝線量に対応する反応曲線を示しています。
固形癌と、癌以外の疾患についての、この二つのグラフで直線反応関係が顕著な特徴として出現していることが認められます。

5:40

ここに、1950年から1965年までの非癌性疾患の曲線低部にみられる、
ホルミシス効果を示唆するかのような僅かな窪みがあることに気がつきます。
これは、低線量被曝を経験した一群の生存者は、
この15年の期間中、予期されたことに反して非癌性の疾患に罹る率が少なかったことを意味しています。
この結果は、放射線ホルミシス理論を裏付けるデータとして一貫していますが、しかしながら、その後の三十年の時間経過と共に、
ホルミシスを示唆したヒントは、容赦なく組織的な直線性傷害反応という現実の中へと消滅してしまいます。

6:13

放射線被曝の非線形反応について、研究所の2000年の調査報告に基づいてさらに探求してみましょう。
まず、1958年から1994年までの原爆生存者の一群に見られる、
ゼロから500ミリシーベルト領域に見られる過剰相対リスク(ERR)の平均値の変動です。
これに対して、最新の2012年の報告にある被曝反応を示した図表(1950 から2003)では、
直線反応傾向の傾斜が下降したことが認められます。
これは、生存者が受けたとされる推定被曝量の数値が2003年に修正されたためによるものです。

6:50

ここに、新たに報告された三種類( L:線形、LQ:線形二次、Q:二次 )の被曝線量(結腸被曝)と
過剰相対リスクの平均値の移行をグラフにした図表があります。全線量領域の低部にズームインしてみましょう。
調査対象の生存者群の年齢が変化したにも関わらず、二つの曲線が二つのピークと窪みとを描いていることに注意して頂けたでしょうか。

7:25

ホルミシス理論の存在を主張する研究者は。110ミリシーベルト周辺に見られる、
ゼロ・リスク以下にある低いリスク反応を見て低線量の被曝が健康に有益であると短絡的に結論付けているのかもしれません。
これは、人体に有益な被曝線量が存在するこの徴ですか?
2000年に、研究所は、また広島と長崎に関する二つのデータを提出しています。
長崎の生存者群( コホート )では、50ミリシーベルトにゼロ・リスクの窪みが見られますが、広島の生存者群ではピークになっています。
そして両者のコホートが重なると、長崎のグラフに見られたゼロ以下を示す窪みはなくなります。
では、コホートの規模が被曝線量反応の直線性にどのような照合しているのか観察してみましょう。
この長崎のコホート( 38107人 )に関するデータしか我々が持ち合わせなかったとしたら、この低線量領域のデータを見て、
低放射線が癌のリスクを軽減すると考えたかもしれません。
さらに、750ミリシーベルト以上の被曝になるとリスクは横ばいになると理解していたかもしれません。
しかしながら広島のコホートは、長崎の約二倍( 82214人 )、ゼロ以下のリスクを示す数値は無く、
750ミリシーベルト以上のリスクは上がり続けます。全体的にグラフは直線の傾向を示しています。
それでは、両都市のコホートをあわせたグラフを見てみましょう。長崎の三倍のコホートの規模( 120321人 )になります。
これにより、被曝線量反応の直線性は、最も高角度になります。
この三つのステップにより、調査対象コホート群の規模が大きくなるに連れてグラフの直線性が増すことを確認できます。
このことは、放射能被曝のリスクは、確かに直線反応関係にあると結論できるものだと言えます。
しかしながら2012年に発表されたばかりのグラフに見られる、低放射線領域のピークが示すものは、
2000年の報告書にも認められ、被曝反応に非直線性が存在することを示しています。
事実、低線量領域のピークは、二つの都市のデータ両方に示されています。
時間的経過のなかにおいても一貫性があり、コホートの規模に対応した統計的数値のデータ維持は、
低線量領域の非線形反応関係を示唆するものと言えます。

10:15

さらに付け加えられるべきは、放射線による遺伝子損傷は、低線量領域において発生リスクが高く、
一単位線量あたりのリスクは、低線量被曝の方が( 瞬間的な高線量よりも )高いという主張を裏付ける研究データがあります。
しかしながら当研究所の執筆者らは、非線形の反応関係の意味は、
まだ理解されていないという。追加的な影響についての調査、放射線生物学のトレンドを考慮したとしても、
この非線形反応は、低線量被曝が無害であるという主張を裏付けるものにはならず、
非線形反応が、常にゼロリスクの上位に見られることから、それを覆すものたりえるのです。
これまで私たちが見てきた原爆被害生存者らの発した低線量被爆リスクについての明らかな危険信号は、
全世界で設けられている放射能安全リスク基準の見直しをせまるものです。
言うまでも無く、一部の専門家たちは、このコンセンサスに同意しようとせず、原爆生存者のデータでは、
100ミリシーベルト以下の放射線が有害であるという証拠にはならないと主張しています。
なぜならこの領域のデータは統計的に有意ではないというのです。
福島原発災害後、山下とアリソンは、被爆者の統計学的考察に、より多くの公衆を被曝研究対象にすることを
認知させるような主張を繰り返しています。

アリソンのコメント  
『まず、これを正しく検証するには、一方には、被曝を余儀なくされた多くの人口と、
被曝していない多くの人口との対比を比較考察する必要があるということです。
この種のデータとして最も重要なものは、言うまでも無く広島長崎の生存者の記録であり、100ミリシーベルト以下の被爆値の場合、
余剰リスクは、ゼロに等しいことが一貫して示されてきました。
その、( 指摘されている )大きな規模の( コホート )調査対象のデータにしてもです。ですから、一過性の集中的な被曝であろうと、100mSv以下であれば、放射能リスクが存在しないという主張は、高い信頼度と配慮がなされていると言えるのです。』

彼らの主張を裏付けるデータを見てみましょう。。アリソンが講演で使用したデータは、
原爆被害者コホートの固形癌による死亡率に関する表です。被曝線量に応じた癌死亡率が階層化されています。
100ミリシーベルト以下の死亡件数が緑色にハイライトされています。
このデータをグラフ化したものです。安全な線量領域だと主張されている100ミリシーベルト以下を緑色にハイライトしました。
さて、統計学的に有意な相関係数から求められる有意確率p valueは、様々な条件下において、
通常0.1から 0.01の領域で考慮されます。疫学であるこのような研究の場合には 0.05が通常使われます。
5ミリシーベルトから100ミリシーベルとの領域は、山下やアリソンが観察したように
( 補足:発生リスク値が0.025なので )統計学的に特筆するものではないように見えます。
しかしながら、ここにある意味を問うこは重要であり、これほど有意なデータがあるにも関わらず、
なぜ低放射線被曝リスクについてのコンセンサスを揺るがすことができないのか、その意味が隠されています。
有意確率p valueの意味とは何でしょう?二つの仮説が考慮されなければいけません。

H0 : ERR ≦0  ERR過剰相対リスク は ゼロあるいはそれ以下
H1 : ERR >0  ERR過剰相対リスク は、ゼロ以上

{ 補足説明: 疾患発生リスク値は、0.025です。
統計学的確率領域として0.025の自由度を0 から 0.05の領域と0.025からマイナスの0.025として、
Ho: ERR ≦0 5ミリシーベルトから100ミリシーベルとの領域のP valueは、0.05 0.05 P= 0.10
100ミリシーベルトから200ミリシーベルとの領域のP valueは P=0.06
200ミリシーベルトから300ミリシーベルとの領域のP valueは P=0.002
5ミリシーベルトから100ミリシーベルとの領域の確実性  PHo = 10%
100ミリシーベルトから200ミリシーベルとの領域の確実性 PHo = 6.0%
200ミリシーベルトから300ミリシーベルとの領域の確実性 PHo = 0.2%
となる。
対して仮説 H1 : ERR >0の場合
PH1 = 90%
PH1 = 94%
PH1 = 99.8%
となる。}

100ミリシーベル以下は、無害だと主張する立場は、H0 の仮説に依拠し、
5ミリシーベルトから100ミリシーベルとの領域における仮説(無害)の正当性の有意確率は、10パーセントになります。
対してリスクはゼロ以上だとする仮説(有害)H1、5ミリシーベルトから100ミリシーベルとの領域における
過剰相対リスクの正当性の有意確率は、90パーセントになります。
降雨確率が90パーセントの場合、傘を持って出かけますか?
十発中九発の弾丸が込められた拳銃で見ず知らずの人に向けて引き金を引きますか?
合理的なものの考えの持ち主なら傘を携帯して出かけるでしょうし、倫理的な放射線管理専門家であるならば、
公衆の健康と安全を賭けて ロシアンルーレットなどしないはずです。
原爆生存者を研究した二人の科学者が100ミリシーベルトに関する放射線影響研究所の不明瞭な立場に懸念を示し、
綴った言葉を引用して終りにします。
現存するデータを前に、低線量領域に関して、統計学的な有意性が欠如してたとしても、この領域の注意を喚起する上で、
リスクがゼロだとする主張を取るのは、健全な統計学的解釈だとも、賢明なリスク評価だとも言えない。pierce & Preston,2000

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最終更新:2013年05月26日 13:41