瀬川至朗

毎日新聞社でワシントン特派員、科学環境部長、編集局次長、論説委員などを歴任。1998年、「劣化ウラン弾報道」で、取材班メンバーとしてJCJ奨励賞(現JCJ賞)を受賞。

2011/5/18 東京新聞「原発報道とメディアの責任」

長年、毎日新聞の科学部記者をしてきた筆者は、自制を含めて、マスメディアにも歴史的な責任があると指摘したい。

50年代、全国紙に科学部や科学報道本部ができたのは、原子力が大きなきっかけになったといわれる。

「脱原発」が私の考えであり、原子力政策の問題点を積極的に提起してきたつもりだ。
だが、国や専門研究者からは「原子力に厳しい」と言われ、記者クラブの中で特異な存在となった。
こうした環境に流されて、脱原発の考えを明確に展開してこなかったことが悔やまれる。

メディアが、原発を不安視しながら、それ以上の追及をしてこなかったのは、なぜなのか。

新聞には、第二次世界大戦を食い止められず、逆に、大本営の発表に追随し、戦意を煽った「前科」がある。
次を防ぐための構造的な問題を明らかにするため、原発報道も歴史的な視点での検証が求められる。

732地震雷火事名無し(dion軍) 2012/08/03(金) 09:56:20.08 ID:CU13Fq+y0(3)
 早稲田のオープンキャンバスで、8月5日(日)に

 政治経済学部 模擬講義で
 「原発事故報道と「大本営発表」/教授(瀬川 至明)」ていうのやるらしい
 とりあえずこんなの許す早稲田GJ。

 ソースはPDFファイルなんだけど、ここの一番右上。
 ttp://www.waseda.jp/nyusi/oc/2012/2012_pamphlet.pdf


734地震雷火事名無し(dion軍) 2012/08/03(金) 10:26:37.93 ID:CU13Fq+y0(3)
 >>732
 なんか読売Onlineだけど('A`)この方が震災・原発報道について昨年5月に書いた物をひろった。

 瀬川 至朗さん
 早稲田大学政治経済学術院教授 ジャーナリズムコース プログラム・マネージャー 元毎日新聞編集局次長
 ttp://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/opinion/earthquake_110509.htm

 放射線の記事でも、その瞬間の放射線量だけでなく、
 例えば年間に継続して浴びる「積算放射線量」が重要な意味を持つことは専門記者なら分かるはずだ。
 また、避難区域の設定が、原発から半径20キロ、30キロという同心円になっていることについて、
 チェルノブイリの事例から、実際の放射線量が風向きなどに影響されて、
 飯舘村などのように同心円とは別の配慮が必要になることも、当初から指摘できる話だった。

  こうした能動的な報道のためには、科学技術の専門ジャーナリストに、これまで以上に活躍してもらう必要がある。
 専門ジャーナリストとは、「専門分野についての的確な知見と将来を見据える先見性を備え、
 主体的な問題提起の力を持つジャーナリスト」のことである。

 科学ジャーナリストは、科学者の単なる代弁者であってはならない。
 日頃の取材や文献講読で知見を高め、いざというときに、主体的かつ批判的に問題を読み解ける能力を養ってもらいたい。
 マスメディアも、そうした視点で、専門ジャーナリストを育ててほしいと思う。

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最終更新:2012年12月10日 15:22