小熊英二




550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(中部地方)[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 00:10:14.80 ID:7sOp8UgZ0 [1/26]
小熊が参加したのか。
1968読むか

610 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(北海道)[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 10:17:23.76 ID:jfn+0n/K0 [1/2]
607

人の言説の引用が演説の多くを占めるってのが、いかにも小熊であった。

633 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(東京都)[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 13:35:44.06 ID:3c2pzKN70
607
小熊英二って見た目こんな若々しかったんだw

もっとジジイなイメージがあったのだが。

641 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(静岡県)[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 14:15:38.53 ID:zI4EhGGe0 [2/2]
633
バンドでギター弾いてるせいかステージ慣れしてるねw

そういえば小熊氏の仕事の真骨頂は、
知識人の不用意な発言を拾い集めてネチネチと蒸し返すあたりにあるので、
このスレの趣旨とも多少通じるかな。


981 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(茨城県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 18:01:04.88 ID:40BgIZXD0 [6/7]
小熊英二 東北と東京の分断
http://twitpic.com/4u59mv

987 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 18:49:42.19 ID:DL2kyjFT0 [1/3]
981
ほんと冴えてるなあ。

「日本の構造と東北の位置を変える意思を東京側も含めて共有」すること。

「非現実的な夢想家」を志向するスピーチよりも、ずっとリアルだ。
状況の困難さについても、たじろぎそうになるほどリアルだけれど。

余談だけど、小熊さんを高円寺のデモ出発点でお見かけした。
最初誰だか気がつかなかったくらい、群衆の中に自然にたたずんで
おられたのが印象に残っている。

995 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:16:48.43 ID:DL2kyjFT0 [2/3]
そうかも、傲慢ですね。
ただ、植民地を失った日本において、東北がおかれることに
なった位置についての視点は、
原発問題を考える上で絶対的に欠かせないと思ったのですが
ここまで状況の中で明解に書かれたものはなかった気がしたので。

村上春樹さんのスピーチについては >>990 さんの指摘はなるほどです。
ただ、私はなぜ、すでに日本以外では「現実」になり始めていたことが、
なぜ日本では「非現実な夢想」として揺らぎもせず捉えられ続けていたのか、
ということのほうが興味があるのです。

997 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:20:56.85 ID:K857gvWB0 [6/6]
995
ここまで状況の中で明解に書かれたものはなかった気がしたので。

ああ、それはもう完全に同意します。むしろなぜ、今まで誰も小熊氏の視点を
一言たりともつぶやきもしなかったのか、コロンブスの卵のよう。
さすがだと思ったのはすでに書いたとおりです。

後段についても、そういう視点はそういう視点で正当な疑問かと思います。
実際、学問的にはそちらの方が筋が良いかと。

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(catv?)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:40:50.67 ID:K6T7So2Q0 [1/11]
植民地を失った日本において、東北がおかれることになった位置

植民地がなきゃ、(そして国際情勢考えなきゃ)東北はもうちょっと豊かだったはず。つまり、植民地が
あったことによって、東北はあの位置に置かれ、戦後は日本の工業化・都市化のために
それがさらに加速したってのが正しい。

東北は過疎に違いないが、あんだけの爺婆が過疎のなかでともかく暮らして行けるインフラが
あったことは確かなんで、それが今後は無理なのは、思想の問題というより経済の問題だと
おもうけど。そこに目を向けない思想はかっこうはいいが、無力なだけだとおもうけどねえ。
鷲田が書いてた文章もどっかで読んだけど、そっちも、だから何?っておもっただけだったな。

俺は、思想には、たとえば「今後起こるさまざまな福島差別、とくに福島の結婚差別を
どう予防すべきか」みたいな問題を緊急に考えて欲しい。

8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(東京都)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:59:45.84 ID:UQ6b+7oz0 [1/2]
前スレ>>981

復興構想会議議長代理の御厨氏も小熊氏のその記事程度の認識は最初から持っている。
評価すべき貴重な意見とも思えない。

11 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 20:17:14.80 ID:K857gvWB0 [1/15]
8
そら、御厨氏は持ってるでしょうよ・・・。
思想(まあ小熊氏の場合は社会学だろうけど)を持ち上げるつもりは別になくて、
今は色んな角度から各自がやれることの最善をやるしかない。その中でよい仕事をしたということ。
一番怖いのは、エア御用も大好きな「今はそれをやる時ではない」という類の言葉。
その言葉で、多くのものが葬り去られ、耳に入る機会を奪われてしまう。
そして、本来共に戦える人たちが、内輪喧嘩を始めてしまうこと(それこそ今やる時ではない)。
まあ自戒もこめて。

13 名前:4(catv?)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 20:35:15.11 ID:K6T7So2Q0 [2/11]
11
その中でよい仕事をした

小熊(や鷲田)を貶すつもりじゃなくて、もっともっとがんばって、果敢に踏み込んで欲しい。
エア御用問題だって、思想が扱う問題だとおもうしね。


19 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 21:04:34.41 ID:vdYXD3Jt0 [2/6]
981 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(茨城県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 18:01:04.88 ID:40BgIZXD0
小熊英二 東北と東京の分断
http://twitpic.com/4u59mv
あんまり読みたくない内容だな。はらわたえぐり取られるような気分にさせられる。
どこの新聞に書いたものか分からんけど。
小出氏の思想を適切な言葉で再表現したような感じだ。

23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 21:12:53.88 ID:vdYXD3Jt0 [3/6]
4
東北は過疎に違いないが、あんだけの爺婆が過疎のなかでともかく暮らして行けるインフラが
あったことは確かなんで、それが今後は無理なのは、思想の問題というより経済の問題だと
おもうけど。
愚か者が。
インフラ整備がボランティアや人道的見地からなされてるとでも思ってるのか。
必要だから作るんじゃあない。作ることで必要性を持たせただけだ。
ではなぜ作ったか。原発と同じさ。

27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(catv?)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 21:17:43.08 ID:K6T7So2Q0 [6/11]
23
「インフラ整備がボランティアや人道的見地からなされてる」なんて書いてないけど?
目が悪いの?

28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(catv?)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 21:19:49.93 ID:K6T7So2Q0 [7/11]
19
アホだな。「適切な言葉」はあるけど、思想なんかないだろ。小熊には期待してるけどね。

52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 23:14:02.99 ID:vdYXD3Jt0 [5/6]
28
>>19
アホだな。「適切な言葉」はあるけど、思想なんかないだろ。小熊には期待してるけどね。
君が考えるところの「思想」ってのがどんなモノか説明してごらんな。

56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(大阪府)[] 投稿日:2011/06/13(月) 23:20:58.61 ID:wxG28Xvp0
「ひとつになろう、ニッポン!」
「ニッポンは強い国!」

……観るたびに頭痛がしたよ。
俺は東電や御用の連中と絶対に一緒にはなれない。あたりまえじゃないか。

小熊がいってるのはそういうこった。

82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/06/14(火) 00:22:33.79 ID:TYHO9LeZ0 [1/3]
69
君の目線は西高東低なんだよ。気付けよ。
もう一度、自分の>>4を、元記事と合わせてジックリと読み返してみな。誰が誰に対して語ってるのかをさ。
ついでに書けば、>>19での「思想」とは小出氏の持っているモノを指しているのすら読み取れなかったのか。

127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(静岡県)[sage] 投稿日:2011/06/14(火) 05:43:03.14 ID:I8lXAEjR0
101
平川さんのそのツイート見て思い出したのが、
松本哉の「原発やめろデモ」のサイトに小熊英二が寄せたメッセージ。
http://57nonukes.tumblr.com/page/2


楽しむのが原点
「代替エネルギーをどうするんだ」とか、むずかしいことを考えなくてもいいと思う。
考えたい人は考えてもいいが、考えないで「原発やめろ」というのは無責任だということはない。
「責任をもって意見を表明しろ」というなら、意見を考える土台の情報が全面的に開示されて
からにしてもらいたい。意見を表明したらそれが政策に反映される保障があってからのことに
してもらいたい。それがないのに責任だけ問うのは、情報と権力を握っている人間以外は文句を
いうなという脅迫でしかない。あるいは、情報と権力を握っているような意識に酔いたい人間の
自己満足でしかない。それだけの情報と判断力と権力を持っている人間が本当にいるなら
ありがたいとも思うが、そうとは思えない状態で事態が動いているところが怖いのだ。民主主義
というのは、人間は不完全なものだから、全能の権力者などいない、みんなの意見と力を寄せ
集めるしかないという考えから始まっている。危ないものは危ない、いやなものはいやだと表明
するところから始めるしかない。あとは楽しむこと。楽しんで盛りあがるのも民主主義の原点。

129 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(山口県)[sage] 投稿日:2011/06/14(火) 06:08:06.83 ID:n6ySjdKV0 [4/4]
小熊ゼミ出席が厳しかったわ

995 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:16:48.43 ID:DL2kyjFT0 [2/3]
そうかも、傲慢ですね。
ただ、植民地を失った日本において、東北がおかれることに
なった位置についての視点は、
原発問題を考える上で絶対的に欠かせないと思ったのですが
ここまで状況の中で明解に書かれたものはなかった気がしたので。

997 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(神奈川県)[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 19:20:56.85 ID:K857gvWB0 [6/6]
995
ここまで状況の中で明解に書かれたものはなかった気がしたので。

ああ、それはもう完全に同意します。むしろなぜ、今まで誰も小熊氏の視点を
一言たりともつぶやきもしなかったのか、コロンブスの卵のよう。
さすがだと思ったのはすでに書いたとおりです。

後段についても、そういう視点はそういう視点で正当な疑問かと思います。
実際、学問的にはそちらの方が筋が良いかと。

244 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/06/14(火) 20:52:43.78 ID:TYHO9LeZ0 [5/7]
127
いいねえ。
「楽しんで盛りあがるのも民主主義の原点」かどうかは怪しいが、責任とセットの意見表明なんて誰が決めたんだってことだな。
民主はもっとうさん臭くてエゴイスティックでめんどくさいもんだと思うが、ぶん殴って従わせられるよりははるかにましだよ

589 名前:地震雷火事名無し(中部地方)[sage] 投稿日:2011/08/26(金) 19:37:06.53 ID:gtWmFzjd0
特集ワイド:巨大地震の衝撃・日本よ! 慶応大教授・小熊英二さん
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110826dde012040014000c.html
 ポスト菅内閣の政策でも、最も関心が高いのは、やはり「原発を維持し続けるのかどうか」だろう。
最近の世論調査では「脱原発」の声が支配的だが、政治家、官僚、財界による「原発維持」の方向へと
巻き返しが進んでいる--そんな構図に映る。しかし、小熊さんの見方は異なる。
(略)
 賛否さまざま、と映る論壇の動向も、子細に見れば「それほどの幅はない」という。「よほど不勉強な人を
別にすれば、『原発は維持すべきだ』という論者でも、電力会社と監督官庁である経産省が一体化して推進している
構造を変え、受け入れ自治体に多額の交付金を出すのはやめるべきだ、という点で異論はない。そうなれば新増設は
難しい。新設ができなければ、意見が違っても、今すぐやめるか30年かけてやめるかの差です。原発問題に限れば、
選択肢はほとんどない」

ちょっと見通しが甘いじゃないかと思ったが、続く段を見ると皮肉なんかねえ
これで原発推進・維持するようなら日本オワタ、と

 害があるうえに、合理性もないのが原発というシステム。これが小熊さんの結論だ。「これでも変わらないようなら、
日本の官庁、政界、財界の意思決定部分が、合理的な思考力も自己改革能力もないということです」。口調は突き放すようだった。

▼ 611 名前:地震雷火事名無し(中部地方)[] 投稿日:2011/08/26(金) 22:29:37.32 ID:bR0PnurF0
589
電力会社と監督官庁である経産省が一体化して推進している
構造を変え、受け入れ自治体に多額の交付金を出すのはやめるべきだ、という点で異論はない。
そうなれば新増設は 難しい。

こういった現在ある悪い仕組みに関心を持つべきで
選挙ではこういう仕組みを変えてくれる
政治家に投票しないといけない。

原発に反対、反対といってるだけではダメで
この仕組みを変えない限りいつまでも原発は続くから。

電力会社は何をしても国に守ってもらえるということも
変えないといけない。


▼ 629 名前:地震雷火事名無し(チベット自治区)[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 02:34:31.80 ID:NI4VjtwV0
589 面白かった。

日本の官庁、政界、財界の意思決定部分が、合理的な思考力も自己改革能力もないということです。

「官」については、今日(厳密には昨日)の対政府交渉を見る限り、合理性も改革意欲も全く感じられませんでした。
11/08/26 「子供たち内部被ばくゼロ緊急院内集会」
Ust アーカイブ http://www.ustream.tv/recorded/16878593 (25分頃から)

vs厚労省、農水省、食品安全委員会、消費者庁
【出席者】 増山麗奈、川根眞也、藤波心、川田龍平 各氏(川田さんは最後の方だけ)

577 の新潮「セシウム特集」に対してのやりとり。 (48分頃から)
プルトニウムは10ベクレル(暫定値)まで食べて安全の根拠について。 (1:00頃から)
など。



575 名前:地震雷火事名無し(三重県)[sage] 投稿日:2012/01/20(金) 23:16:33.65 ID:W4prRAHr0
小熊英二と古市憲寿の対談がシノドスに出てた。
(対談というか……論文指導みたいな感じなんだけどw)
対談全体がおもしろかった。
特にこのスレに関係しそうな部分を最終回から引用。

SYNODOS JOURNAL : 震災後の日本社会と若者(最終回) 小熊英二×古市憲寿
http://synodos.livedoor.biz/archives/1885788.html

■科学とは何か

小熊 そういう対話のために、社会科学も含めて、科学というものが手段として
必要になる 。私は大学の講義で西洋近代思想の話もしますが、近代科学というの
はルネッサンス期の、カトリックとプロテスタントの血で血を洗う宗教戦争から
発生したんですね。神を前提にしていると、絶対正義の対立になって戦争が終わら
ない。それでもお互いに対話しましょうというときに、こういう実験結果があり
ます、あなたも実験してください、同じ結果がでますよ、というかたちで近代
科学がはじまったんです。信じる神が違っても、同じ結論にたどりつくはずだと。

科学がそうあるためには、反証可能性がないといけない、つまり「科学的真理」を
絶対のものとして振りまわすのは科学ではないというのは、ポパーがいっている
通りです。だから科学的な対話術では、必ず典拠を示して、この統計数字の出処
はここですから、私の読み方がミスリーディングだと思うんだったら原典にあたっ
てください、他のリーディングがあるんだったらあなたがやってください、それ
から話し合いましょうというように、対話をするわけです。

(略)

もちろん、科学が絶対真理を振りまわす新しい信仰になってしまうということは
よくある。今の原子力業界の人などはそうですが、自分たちが認めない人間に
よる反証を許さないし、固定的なものの見方しかできなくなってしまう。だけど
科学の歴史を見れば、19世紀にはニュートン力学と電磁力学だけで全世界を解明
できると思ったのに、実験結果で光の速度が変わらないということがわかって、
相対性理論が出ました。つまり、現実に適応できなくなったら、事実の前に謙虚
でなければいけない。そのためには現実をよく見て調査をしたり調べたりする
ことが必要なんです。

381 名前:地震雷火事名無し(やわらか銀行)[sage] 投稿日:2012/03/09(金) 10:18:15.30 ID:2eZkrxL+0
3/2 朝日朝刊 https://p.twimg.com/AnGxF-0CAAEVRU_.jpg:large
――――――――――――――――――――――――――――
「お任せで大丈夫」の崩壊 ―― 小熊英二氏に聞く
自分で判断し、皆で討議する国に

 被災地の産業基盤への影響や、原発事故の健康被害は、現時点でば確定的に
語れません。今のところ日本社会に与えた最も大きな変化は「不安感とリスク
感の増大」でしょう。

 放射能汚染は「この食品は安全だろうか」という不安を広げました。有害か
どうかは確率でしか示せません。人々は自分で情報を集め、それぞれ自己決定
するしかない。それが「リスク」というものです。

 これは「任せておけば大丈夫」という感覚が損なわれたということでもある。
3・11後に「政府や専門家はあてにできない」という認識が広まり、リスク感を
高めています。

 ただしこれは、震災だけで起きたことではありません。日本社会ではここ十数
年ぐらいで、漠然とした不安感とリスク感が高まっていました。雇用も家族も
教育も預金も、お任せでは運営していけなくなり、自己判断でリスクをとること
が求められるようになってきたからです。震災そのもので大きく変わったという
より、それ以前から進んでいた変化が震災を機に明確に意識されるようになった、
ということでしょう。

 これにはいい面と悪い面がある。悪い面は安心・安全の揺らぎです。従来は
「あうんの呼吸」だった地域や家族でも、時には分断と思えるような事態が
生じ、意見交換しなければ運営できなくなる。

 しかし、すべて「お任せ」でやってきた人たちが、自分で判断して動くように
なったのはいいことです。その表れは、脱原発運動の高まりとNPOによる被災地
支擾です。

 どちらも、行政や専門家に任せておけない、自分で知識を学んで行動しようと
いう動きです。阪神大震災のボランティアより数が少ないという意見もあります
が、代替案の提示や組織運営などでは。むしろ成熟している。「新しい日本」が
出てくるとすれは、そこからでしょう。

 逆に原発は「旧来の日本」の象徴になりました。政府と専門家に任せておけば
安心・安全、補助金はつき競走もない、国民は何も考えなくていいというシス
テムです。それが機能不全であり、どんな弊害をもたらすか、はっきり分かって
しまった。

 他方で政治の領域が、その変化についていけていない。被災地復興は相変わらず
の公共事業形式です。政治は議員が選挙区をまとめ、有力議員が政党間をまとめ、
判断も責任も不明確。政治報道ほ有力議員にくっついて情報をもらう形。これら
が機能不全であることも明白です。

 有権者も「任せたが結果が不満だから首相でも代えるか」といった意識では
やっていけません。「お任せで安心・安全」が自慢だった日本ですが、面倒でも
自分で判断し、皆で討議を重ねる「昔通の国」になることです。
(聞き手・塩倉裕)

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最終更新:2012年12月10日 15:25