IAEA調査団


2012年2月1日東京新聞

IAEA 地元協議などを注文 再稼働へハードル高まる

国際原子力機関(IAEA)の調査団は31日、定期検査で止まった原発の再稼働の条件となる、政府の安全評価
(ストレステスト)の手法を妥当だと判断した。だが、IAEAは無条件で再稼働にお墨付きを与えたわけではない。
経済産業省原子力安全・保安院に対し、原発の周辺住民との会合など十一の改善点を指摘。
再稼働に向けたハードルはむしろ高まった。

再稼働
保安院が個々の原発の安全評価→原子力安全委員会が確認→地元自治体の了解→首相と関係閣僚が是非を判断

IAEA調査団 七項目の勧告と四項目の助言という形で保安院に改善を突きつけた。
勧告の中には、「原子力施設近隣の利害関係者と会合を行う」ことなどが挙げられている。

保安院の担当者は記者会見で「できるものから対応したい」と述べたが、完了の時期は明言しなかった。

特にIAEA調査団が重視するのが、地元住民への直接対話だ。
ライオンズ調査団長は「会合に参加してもらい、再稼働の流れを知ってもらうことが大事だ」と強調する。

保安院はこれまで住民に説明する機会を避けてきたが、再稼働前に説明会を開く必要に迫られた。
保安院の担当者は「説明する住民の範囲をこれから検討する」と話す。

IAEAは審査基準の明確化も勧告した。
だが、保安院は「個々の原発の状況が違うので、具体的な基準を示すのは難しい。IAEAもそこまで求めていない」
としている。

保安院は既に関西電力大飯原発3、4号機の安全評価を妥当だとしているが、保安院の専門家会議の委員からも
「不十分だ」との指摘がある。最終的には政治判断となるが、少なくとも七項目の勧告を満たさない限り、
再稼働は難しくなった。

(桐山純平)

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最終更新:2012年12月11日 20:22